十二年の不妊治療のうち初めの八年の心の苦しみの葛藤を描いたストーリーである。本作品は通院日誌ではなく、著者の心情を投影した思いそのものである。子供が欲しいという気持ちは罪ですか?欲なのですか?自我なのですか?ただ愛する人の子供が欲しかっただけなのに・・不妊治療で傷つきながら血の涙を流す主人公市江。人は様々な環境で様々なものを抱えて生きています。主人公は、仕事・隣人の騒音・ストーカーなどから悩み、病気を発病。病気を治療すれば不妊治療が出来なくなり、不妊治療をすれば、病気が悪化するという負の連鎖に迷い込む。病気の世の偏見。自分しか分からない孤独。子供ができない事に思い悩み、心ない人の言葉に傷つき・・果てしない慟哭の中で、自分の心と向き合い続ける市江。子供を諦められるのか?養子を取るのか?はたまた骨さえも拾ってもらえない孤独を受け入れるのか?主人公市江の心の推移。苦しみの末辿り着いた結論に注目してもらいたい。物語に出てくる誠実で理解ある夫。しかしこの心の支えになっていた夫は今後描く予定のこれから作る物語の中で、大きな豹変をもたらすのである。人は信じられるのか?夫婦の信頼関係は?究極に追いつめられた中で、信頼はその負荷に耐えられるのか?常識を越えて、お金が絡んで人はどんな本性を現すのか?世の摂理を知っていただきたい。十二年不妊治療をする苦しみがどれほどかお分かりですか?女性としての自信さえ持てず、自分を欠陥品のように追いつめて、毎日血の涙を流している。不毛な苦しみの時を送っている。子供を欲しい気持ちは自我なのですか?ただ・・ただ・・愛する人の子供が欲しかっただけなのに・・・何度も心に響く同じ言葉。満たされぬ魂の渇望今あなたが抱えている不妊治療は苦しいですか?自分の行く道は間違っているのか?。答えが出せず苦しみ、彷徨っているあなたへ。あなたは間違ってなんかいない。あなたの行いは尊い行いです。夫に子供を抱かせたい・・これあなたの尊い思いです。弱き立場の女性達へ。あなたの心も血の涙を流しています。これから不妊治療を始める方。長く苦しい不妊治療の止め時について決断を迫られている方。不妊治療を現状のまま卒業した方。生きることに限界を感じている方に読んでいただきたい。自暴自棄になってはいけません。あなたの思いの強さは・・いつか思いの波となってあなたに返るでしょう。どうか最後まで読んでいただきたい。あなたが生きるヒントを見つけて欲しい。あなたの魂に刻まれた言葉は何ですか?あなたの魂の糧に・・・
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