【概要】 Strawberry Fieldsは、Xanaduによって開発された連続量変数の光量子計算のためのフリーでオープンソースのPythonライブラリーで、本書では、ボゾンサンプリングや光量子機械学習をコード解説した。このStrawberry Fields0.16.0には、フォック基底を用いたエンジンと量子光学のガウシアン状態を使ったエンジン、TensorFlowの機械学習ライブラリーを用いたエンジンの3つのシミュレータエンジンがあり、ハードウェアも公開されている。Python3.8.3で作成した。【特徴】 これまでの量子ゲート方式の量子コンピュータでは、明確に仮定された問題設定で十分に定義された解答を得ることができた。これらは決定問題とか判定問題と言われて、問題に対する問い合わせ回数が少ないほど良好な量子アルゴリズムであった。しかし、量子ゲート方式では、限られた測定から何かを見つけるというような問題に対しては不得意であった。つまり、このような問題は、サンプリング問題と呼ばれ、有限の測定から何らかの統計分布を抽出する問題である。光量子コンピュータは、このようなサンプリング問題に対して有効なボゾンサンプリングや改良版のガウシアンボゾンサンプリングをコード解説した。 光量子機械学習には、TensorFlowエンジンを使ってKerasのオプティマイザーによる最適化手法をパラメータ化された変分光量子回路に適用し、光量子ゲート合成に適用した。また、光量子ニューラルネットワークでは、重みWとバイアスbでアフィン変換を受けたWx+bの非線形の活性化関数を5つのユニバーサルゲートの光量子回路で実装して、光量子状態学習に適用した。さらに、時間領域のループ型光量子回路をコード解説した。【目次】第1章 Python開発環境とStrawberry Fields 1第2章 量子光学と光量子プログラミング基礎 19第3章 光量子状態の生成 39第4章 シングルモード光量子ゲート回路 95第5章 光量子状態測定とバックエンド 119第6章 ビームスプリッターゲート回路 137第7章 マッハ・ツェンダー干渉計 163第8章 光量子状態テレポーテーション 193第9章 ボゾンサンプリング 205第10章 ガウシアンボゾンサンプリング 237第11章 GBSによる分子振動スペクトル 263第12章 光量子最適化アルゴリズム 275第13章 光量子ニューラルネットワーク 301第14章 時間領域のループ型光量子回路 315付録 科学技術計算のPython基礎 329
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