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機能獲得の進化史

最初に、「眼」「飛行」「あし」などの機能を獲得したのはどのような生物だったのだろう。そして、化石記録によってその始点にどこまで迫ることができるのだろうか。 最初に「目」「羽」「あし」を持った先駆者たちの機能の中には、現在の生物界から見ると不十分に思えるものもある。しかし、それらは当時の生態系では大きな利点となり、ときには生態系全体をがらりと変えた。 たとえば、カンブリア紀に眼を持つ生物が出現すると、それまでの生物群は一掃され、逃げる能力やカモフラージュの能力など、何らかの対抗手段を持つことが必須となった。あるいは、子を卵として生むことで完全な陸上生活が、巣を作ることで生存の難しい地域に進出することが可能になる。このようにして、新たな機能によって生態系の条件が変わり、その新たな環境の中で生物たちはさらに新たな機能を獲得していったのだ。 6億年前の手足も目もなく沿岸部のみに暮らしていた生物群が地球上の至るところにはびこるようになるまでの、生命史上の転換点を追う。

著者 機能獲得の進化史:土屋健 群馬県立自然史博物館 藤井康文 かわさきしゅんいち