グローバル競争の激化や顧客ニーズの多様化、少子高齢化、そして本格的なデジタル時代を迎えて企業は今、ビジネス(業務)プロセスの抜本的な見直しと刷新、高度化を迫られている。しかしながら、人手に依存したピジネスプロセス可視化や見直しは決して簡単ではなく、大半の取り組みが失敗に終わったと言っても過言ではない。ビジネスプロセスは一般に複数の部門や組織にまたがって遂行されるため、全体を把握している担当者は皆無に近く、また担当者によって業務のとらえ方は異なる。そもそも人の記憶はあいまいであり、ビジネスプロセスが日々変わる面もある。業務担当者や現場責任者にヒアリングし、図式化するといった従来のやり方では、プロセスを洗い出すのは事実上、不可能と言える。この状況を変え、自動的にプロセスを可視化する画期的な技術がプロセスマイニング。今日、主要なビジネスプロセスは、ほぼ例外なく何らかの情報システム群によって実行されている。それらの情報システム群は、それぞれ何がいつ実行されたのか、誰が実行したのかといったイベントログデータ(実行記録データ)を常時、生成している。こうしたイベントログデータをすべて収集し、ケースIDやアクティビティ、タイムスタンプという軸に沿って分析することで、実際に行われたすべてのビジネスプロセスを、例外処理も含めて可視化するのが、その基本的な仕組みとなっている。現場ヒアリングや観察に頼らずに、自動的にプロセスを洗い出すことから、プロセスマイニングはABPD(Automated Business Process Discovery:自動的なビジネスプロセスの発見)と呼ばれることもある。本書はSpringer社刊の「Process Mining in Action~Principles, Use Cases and Outlook」の日本語翻訳版で、プロセスマイニング導入の実践的なノウハウを公開する解説書となっている。第1部では、複雑さに対処するためシンプルなものから始める、正しい目的を設定するなど、プロセスマイニングプロジェクトを成功に導くためのコツや課題、失敗例の紹介、RPAとの補完関係などについて解説する。第2部では、製造プロセスやサプライチェーンマネジメントの改善、内部監査のデジタル化、財務プロセスの自動化など、様々な目的でプロセスマイニングを適用して成功した欧米企業11社12のユースケースを紹介する。Siemens、Uber、BMW、athenehealth、EDP Comercial、ABB、Bosch、Schukat、Siemens Healthineers、Bayer、Telekomの実務責任者が、プロセスマイニング導入プロジェクトを成功に導いた経緯や乗り越えた課題を書き下ろしている。第3部では、プロセスマイニングを発明したWil van der Aalst博士がテクニカルな視点から、編著者であるLars博士がビジネス的な視点から、それぞれプロセスマイニングの未来について論じている。本書は業務プロセス改善に取り組む責任者、担当者はもちろん、全ビジネスパーソン必携の書と言える。
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