一粒の小麦から文明が生まれ、茶の魔力がアヘン戦争を起こした――。 私たちは人類の歴史について、よく知っている。少なくとも、そう思っている。しかし、本当にそうだろうか。人類は植物を栽培することによって農耕をはじめ、その技術は文明を生みだした。植物は富を生みだし、人々は富を生みだす植物に翻弄された。人口が増えれば、大量の作物が必要となる。作物の栽培は、食糧と富を生み出し、やがては国を生み出し、そこから大国を作りだした。富を奪い合って人々は争い合い、植物は戦争の引き金にもなった。 兵士たちが戦い続けるためにも食べ物がいる。植物を制したものが、世界の覇権を獲得していった。植物がなければ、人々は飢える。人々は植物を求め、植物を育てる土地を求めて彷徨った。そして、国は栄え、国は亡び、植物によって、人々は幸福になり、植物によって人々は不幸になった。 歴史は、人々の営みによって紡がれてきた。しかし、その営みには植物は欠くことができない。人類の歴史の影には、常に植物の存在があったのだ。さあ、人類と植物が紡いだ壮大なドラマの始まりである(本書の「はじめに」より)。 (おもな目次) 第1章 コムギ―― 一粒の種から文明が生まれた 第2章 イネ――稲作文化が「日本」を作った 第3章 コショウ――ヨーロッパが羨望した黒い黄金 第4章 トウガラシ――コロンブスの苦悩とアジアの熱狂 第5章 ジャガイモ――大国アメリカを作った悪魔の植物 第6章 トマト――世界の食を変えた赤すぎる果実 第7章 ワタ――「羊が生えた植物」と産業革命 第8章 チャ――アヘン戦争とカフェインの魔力 第9章 サトウキビ――人類を惑わした甘美なる味 第10章 ダイズ――戦国時代の軍事食から新大陸へ 第11章 タマネギ――巨大ピラミッドを支えた薬効 第12章 チューリップ――世界初のバブル経済と球根 第13章 トウモロコシ――世界を席巻する驚異の農作物 第14章 サクラ――ヤマザクラと日本人の精神
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