初公開! トップ企業の危機対策本部の舞台裏 コロナ禍でも「最速復活」できた理由とは? 新型コロナの蔓延で自動車産業も大きな打撃を受けたーー。 ほぼすべての自動車メーカーが巨額赤字となる中、 トヨタは当然のように1588億円の黒字を達成した。 しかも、2021年3月期の業績見通しは 営業利益1兆3000億円という大台にのせてきている。 命運を分けた最大の理由は同社の優れた危機対応力にあった。 【目次】 少し長いはじめに 新型コロナウィルスの蔓延で、さまざまな業種、企業の売れ行きが落ちた。 ところが、ただ一社、同じ期にトヨタだけは黒字を達成した。その理由は何か。 答えは危機管理。危機に的確に対応できたから急回復できたのだ。 第一章 新型コロナ危機 阪神大震災、リーマンショック、品質問題、東日本大震災、異常気象による 台風と洪水、そして新型コロナ危機……。トヨタは地面に叩きつけられた時、 手の中につかんだ土くれを見て、くふうして加工し生かし、また立ち上がる。 第二章 トヨタの危機管理その八大特長 1「深刻に考えずに真剣にやろう」2「常在危機」3「『それしかない』と『それでもやれる』は根本的に違うことだ」4「危機に際しては無力な自分と向き合う」5「壁管理と泊版と役員に報告書を上げないこと」ほか。 第三章 他者への支援はもっとも大切 なぜ、他者への支援が計画の中に組み込まれたのか? それは自動車産業が裾野の広い業種だからだ。自動車を作り、運び、売るにはさまざまな人が関わり、誰一人として欠けては事業が成り立たない。それゆえに様々な会社を支援する。 第四章 初公開! トヨタの保全 保全には三つの種類がある。「事前保全」「予防保全」「予知保全」の三つだ。 トヨタの保全マンに取材を申し込んだのはトヨタの歴史始まって以来、 ほぼ初めて。「縁の下の力持ち」は、いったいどんなことをやっているのか。 第五章 リーマンショックから学んだこと 「急成長している時に、危機のためは蒔かれていたんだ。そして赤字になって、 みんなパニックになった。対処といえばとにかく出金を抑える、 ラインを止める。業績は急回復したが危機管理に成功したわけではない」 第六章 販売の危機管理 新型コロナ危機はセールスの現場にも大きな変化をもたらした。トヨタ自身は 中国、アメリカ、日本で業績は急回復を遂げた。しかしながら、人との 接触を避けたい顧客はオンライン販売やサブスクサービスに注目し始めた。 第七章 在宅勤務の生産性向上 トヨタの事務系と呼ばれる工場以外で働く、経理、人事、調達、営業、 情報システム、広報、宣伝といった職場では密を避けるための在宅勤務を 増やした。実際にはどんな働き方をして生産性を上げたのだろうか? 第八章 自らが危機管理人になるということ 「人生がすっぱいレモンを与えるのならば、レモネードをつくれ」という諺がある。レモンにかじりついてすっぱさを嘆いても始まらない。ほんの少しの 砂糖を加えれば、子供たちが喜ぶレモネードに変えることができるんだ。 あとがき
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