テクノロジーを批評的に扱うアーティストたちの作品を通して、非生命も含んださまざまな「他者」との関わりが生起する場をつくり出した「遠い誰か、ことのありか」展。時に摩擦や抵抗も起こり得る他者との複雑な関係を捉えなおし、他者と共に生きる意味について考える同展では、札幌在住の2名を含む4名のアーティストが新作を発表しました。本書は、札幌文化芸術交流センター SCARTSで2021年9月4日~10月10日(緊急事態宣言発令中は開催延期)に開催された同展の図録としてつくられたものです。新作制作のためにコラボレーションした、クワクボリョウタと渡邊淳司(NTTコミュニケーション化学基礎研究所)による対談も収録しており、また、同時開催されたワークショップ成果展「キョウドウ体/syn体」の成果も報告します。*同展には自分以外の主体との協働の可能性をメディア技術を用いて探ろうとするクワクボリョウタ、アイロニカルな装置を通して、今日とテクノロジーの意味を問うやんツー、紙製の立体を通して私たちの表層的な情報の摂取に疑問を投げかける大橋鉄郎、場の環境を制御するシステムにより、人間と自然、生命と非生命などの関係性を探る岡碧幸が参加。私たちは、ごく当たり前にテクノロジーを使い、物理的に離れた相手や膨大な情報に効率よくアクセスできる日常を享受しています。しかし、人との直接的な接触を避け、「会わずに会う」ことがかつてなく求められるようになった今、生身の身体と身体が共にあること、あらゆる感覚器官を使って対象を実感することが、効率や利便性では測れない意味を持っているということに、誰もが再び気づかされているのではないでしょうか。
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