なぜ「獺祭」は日本酒の常識を破って、 世界中で成功できたのか? 『島耕作』シリーズが国内外で大人気の 漫画家・弘兼憲史が渾身の書き下ろしで迫る 山奥から世界へと挑んだ酒蔵の成功物語! 1984年、山口県岩国市周東町 獺越(おそごえ)にある 小さな酒蔵「旭酒造」の3代目社長に就任した桜井博志。 地元の酒造メーカーではしんがりなうえ、 当時は日本中が焼酎ブームということもあって 売上的にも苦しい状況が続いていた。 値引きをしたり、ノベルティをつけたりしたものの 一向に改善されず窮地に追い込まれるばかり。 ある日、桜井は、日本酒造りのなかでも難易度の高い 「純米大吟醸」造りを決意した。 反対する杜氏の意見をはね除け、 試行錯誤をくり返しながら試作を重ねるが なかなか思い通りの日本酒はできなかった。 そして6年近い歳月を費やしたすえに 純米大吟醸「獺祭(だっさい)」が完成する。 1992年には精米歩合を磨き23%にまでチャレンジした 「獺祭 磨き二割三分」が誕生。 その技術には世界中が驚嘆した。 ところが、桜井が手がけた新規事業の失敗から 杜氏と蔵人全員が旭酒造を去ることになった。 ふたたび絶体絶命のピンチを迎えた桜井だったが、 残された社員だけで酒造りを続けることを決め、 年中造る「四季醸造」へと舵を切りなおす。 さらには問屋との付き合いも断ち、 酒屋との直取引へと商いの形態も変えていった。 桜井の目線は、東京へ、 そして世界へと向いていった……。
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