「廃墟」から「産業遺産」へ― 全国25の産業遺産を徹底取材! 日本の急速な近代化を支えた、数多の産業遺産。あるものは忘れ去られ、あるものは観光地化し、あるものは今も現役でその使命を果たし続けている。軍艦島、富岡製糸場などの世界遺産から、根岸競馬場、摩耶観光ホテルなどの非公開スポットまで、全国25ヶ所においてドローン等による空撮を含む特別取材を敢行。多数の未公開写真に加え、各遺産の過去の写真を収録。モノと記録の双方から産業遺産の価値を再検証するヴィジュアル・ブック。《本書の特長》1)大迫力の空撮全産業遺産でドローンによる空撮を決行! 広大な産業遺産の全貌を鳥の視点で俯瞰する。2)産業遺産はやわかり解説各遺産の基本データと、概要や歴史が短くまとめられている。各写真には詳細なキャプション付き。3)未公開写真が満載通常は立入ることのできないゾーンにも、交渉を重ねて取材を実現。まだほとんど知られていない産業遺産の姿をカメラに収めた。4)古きをたずねて新しきを知る各遺産の過去の写真を入手。産業遺産が「廃墟」ではなく「人々の暮らしの痕跡」であることを知る手がかりとなる。《著者のことば》 本書は、2009 ~ 2016年にかけて、日本全国の産業・近代化遺産を取材し、妻・温子とともに撮りためた写真をもとに製作した。通常は一般の立ち入りが禁止されている場所にも交渉を重ねて取材し、あるいは写真をお借りして、数多くの未公開写真を収録した。各章冒頭の空撮写真と併せて、産業・近代化遺産のまだ見ぬダイナミズムを感じていただけると思う。 また、その遺産が「生きていた」時代を感じてもらうため、各章の最後には過去の写真をできるかぎり収集し、収録した。現在と過去、陸と空、さまざまな時間軸・空間軸で産業遺産の魅力を思う存分味わっていただきたい。 解説やキャプションでは、その遺産の歴史や現在の状況のみならず、保存活用までの道のりなどを重点的に紹介した。産業・近代化遺産の本当の価値が、建築物そのものだけでなく、そこで営まれ、受け継がれている人々の暮らしや思いにこそあることが伝われば嬉しい。 この本が、皆さんの産業遺産・近代化遺産への興味をかき立てるきっかけになることを切に願っている。そして見学可能なところへはぜひ現地に足を運び、遺産の持つエネルギーに、じかに触れていただきたい。――「刊行によせて」より
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