私たちは「どこ」に存在しているのか? 物質の基本は「点」ではなく「ひも」とする超弦理論によって、ニュートンの力学、アインシュタインの相対性理論に続く時空概念の「第三の革命」が始まった。現代物理学における究極のテーマ「重力理論と量子力学の統合」にはなぜ「ひも」が必要なのか? 「空間が九次元」とはどういうことか? 類のない平易な説明の先に待ち受ける「空間は幻想」という衝撃の結論!物質の基本は「点」ではなく「ひも」――これが「超弦理論」の考え方です(「超ひも理論」と同じですが研究者は超弦理論と呼んでいます)。しかし、なぜ「ひも」なのでしょうか? 超弦理論は物理学者の悲願「量子力学と重力理論の統合」を期待される最先端の理論ですが、それだけに難解です。●なぜ「点」ではなく「ひも」なのか?●なぜ「弦理論」ではなく「超弦理論」なのか?●なぜ超弦理論は9次元あるいは10次元の理論といわれるのか?●なぜ超弦理論では量子力学と重力が矛盾しないのか?多くの人たちの理解を阻んできたこれらの「壁」に、『重力とは何か』『強い力と弱い力』(いずれも幻冬舎新書)がベストセラーとなった大栗先生が挑み、誰にでもわかる、しかしごまかしのない説明にチャレンジします。なかでも「次元の数」が決まる理由の謎解きは圧巻です。そこでは、あのオイラーが発見した、ある驚異的な公式が大活躍します。読んでいくうちに空間は9次元であると当たり前のように思えてくるでしょう。そして最後には、とんでもない疑問に突き当たります。「私たちが存在しているこの空間は幻想ではないか?」というのです。空間は9次元だと思ったら、実は幻想だった! 世界の見方が根底から覆る衝撃を、ぜひ体験してください。本書はブルーバックス創刊50周年にして初めて、表紙の書名を縦書きにしています。そこには、この難解な理論を「日本語の力」で説明してみせるという著者と編集部の思いが込められています。※早刷版をご覧いただいた読者モニターの方からは、さっそく次のようなご感想をいただきました。「何が問題で、どう解決したのか。私自身が謎解きをしているようでした」「誰もが一度は考える物質や時空の成り立ちに、 こうも広大な知の営みがある。この世界や、生きていることの素晴らしさが実感できる、 いつまでも心に残る最高の一冊です!」「一見浮き世離れしたような理論をこれほどまで読みやすくわかりやすい表現で明示 した労作は前代未聞。理系を毛嫌いするすべての老若男女に一読を勧めたい」「現代の理論物理学が難解なのは、理論が進化してきた過程が見えなくなっているからだ。大栗先生は300頁に満たないこの本で『進化のはしご』を再現するという離れわざをやってのけた」
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