口語短歌の金字塔と言われた第一歌集『日本の中でたのしく暮らす』から8年。 ゼロ年代の短歌シーンを代表する歌人・永井祐、待望の第二歌集。 どこにでもあるような都市の風景、仕事、人間関係。それを切り取る永井祐の手つきによって、世界はこんなにも広々と私たちの前に立ち現れる。 永井祐の登場によって短歌が、 目の前の世界の見え方が、 変わってしまった。 もうもとにはもどれない。 なんてことをしてくれるんだ! ー穂村弘 【収録短歌より】 よれよれにジャケットがなるジャケットでジャケットでしないことをするから 雪の日にカレー屋に行く雪の降る地域の人になってみたくて 5000円あっという間に交通費でなくなってPASMOが光ってる 春はとっくにどこかとおくに行っていてテレビとデッキリモコンちがう 真夜中はゆっくり歩く人たちの後ろから行く広い道の上 体当たり猫がしている 猫が体当たりしている 光の会話 アイスサンドというアイデアの出所を不思議に思う人思わない人 「ヤギ ばか」で検索すると崖にいるヤギの画像がたくさん出てくる セロテープカッター付きのやつを買う 生きてることで盛り上がりたい 午前中に雨 30分LINEする それでは令和でもよろしくね ❖もくじ I 雪の日々/ハリボー/隣のインターホン/コーデュロイ/会話/するどく/ボタン II かっこいいデ・ニーロ/電話をかける/つながる夢/今日のこと/いろいろな7首/時間/あさ/冬 III それぞれの20首/12首のリズム/隣り駅のヤマダ電機/七首ある/そのつど/北区 IV 12首もある/ほうじ茶/玉/サーティーワンや横浜のこと/穴
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