東インド会社の傭兵シパーヒーの蜂起からインド各地へと広がった大反乱。民族独立運動の出発点ともいえるこの反乱は何が支えていたのか。解説 井坂理穂===東インド会社の傭兵シパーヒーの蜂起に端を発し、インド亜大陸全体へと飛び火した大反乱。ムガル帝国皇帝を擁立した反乱軍はデリーに政権を樹立して闘争を繰り広げるが、内紛と分裂を経て、やがて大英帝国による直接統治という結末を迎える。この反乱を支えたのは、いったい何であったのか。農村社会の変容、ヒンドゥー教・イスラム教ほかの宗教、カースト制度など、本書は複雑なインド社会の根幹部分を丹念にすくいあげて分析しながら、そこに携わった多様な人々のリアルな姿も活写。20世紀の独立へと持ち越された、インド民族運動の真実の姿を描きだす。 ===傭兵蜂起からインド全土に燃え広がった民族運動の出発点===【目次】反乱の予兆エンフィールド銃/パーラクプル、一八五七年三月I 反乱の社会的背景ムガル帝国/ムガル帝国の農村支配/ムガル帝国と都市/ムガル帝国と外国貿易/東インド会社から直接統治へ/ムガル帝国の衰退/ムガル皇帝の役割/プラッシーの戦い以後のインドとイギリス/インド農村の変容/ムガル皇帝と東インド会社/最後の皇帝バハードゥル・シャー二世/シパーヒー(セポイ)とは何か/異様な風体の階層/シパーヒーの恩恵/引き裂かれた青年たち/カーストの意味するもの/発端=薬包使用拒否事件/メーラトの蜂起/反乱軍デリーへII 反乱政府 ―― デリー、五月~九月ムガル皇帝の登場/デリー攻撃/ムガル皇帝の復権/反乱政府の成立/行政会議の成立/反乱軍総司令官の選出 デリー市民の反応/シパーヒーの飢え/内通する人々への怒り/ヒンドゥーとムスリムの対立/デリー反乱軍の戦略プラン/ヒンダン河の戦闘と王子の戦線逃亡/パトリー・キ・サラーエの戦闘反乱軍、最初の勝利/六月二十三日の戦闘/バフト・ハーン将軍の到着/総司令官に任命されたバフト・ハーン/反乱軍内部の対立/デリー火薬庫、二度目の爆発/反乱軍の分裂/行政会議の組織替え/九月五日の謁見/あるスパイの報告より/ムガル皇帝進軍事件/デリー陥落III 反乱と農村社会農民の蜂起/農民反乱の担い手/反乱の組織とカースト/反乱政府からの呼びかけ/皇帝の農村政策/シパーヒーの農民政策IV 各地の反乱マラーター同盟の後裔/ナーナー・サーヒブ、カーンプルへ/カーンプル反乱政府の成立/タートヤ・トーペーの闘い/ラクナウのアワド王国/アフマッドゥッラーの動き/アワド反乱政権の構造/王妃ハズラト・マハルの役割/反乱政府の分裂/アフマッドゥッラーの権力掌握/反乱の東端ビハール/ビハール反乱の端緒/クンワル・シングの登場/クンワル・シングの転戦/反乱のジャンヌ・ダルク、ラクシュミー・バーイー/イギリスのジャーンシー統治開始/ジャーンシーの反乱結 び
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