著者の上野正彦は、監察医として2万体を検死した法医学の権威。本書では、これまで経験した検死の数々について、率直かつ誠実に、書き綴った。たとえば。検死するのが辛くなる子どもの死体を目の当たりにした時、死体に虐待の痕跡を見つけた時、著名人の死への対応など……。現場で経験した多くのせつなさや悲しみにとどまらず、著者自身が法医学の道に進んだワケ、北海道の無医村地区で開業していた父との関係、長年連れ添った妻を看取った時のことにまで、赤裸々に胸中を明かす。検死事例が多く、読み応えもある。
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