いま着ている服も、なにかメッセージを発している毎日、着ては脱ぐを繰り返す衣服。身体を保護するだけでなく、実に多くの情報を発信している。時に思想を反映し、時に権力の象徴ともなる装い。民族を表す記号としての役割を果たし、帰属集団のアイデンティティーを確認する道具としても利用されてきた。ファッションの歴史を振り返ると、それぞれの時代に生きる人々の価値観、社会を取り巻く環境や経済の状況が見えてくる。27年にわたり原宿・渋谷・銀座で定点観測調査を続けてきた被服学の専門家が、ファッションの持つ意味と、歴史的変遷から時代の精神を探る。 目次 第一回 ファッションとは何か第二回 コロナ禍とファッション第三回 ファッションと時代(一) 一九二〇年代~一九四〇年代第四回 ファッションと時代(二) 一九五〇年代~一九八〇年代第五回 ファッションと時代(三) 一九九〇年代~二〇二〇年第六回 ファッションのリバイバル第七回 街が育むファッション第八回 カジュアル化するファッション第九回 進化するメディアとファッション第十回 身体のファッション化第十一回 ファッションと流行色第十二回 ジェンダーとファッション
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