「正解」のない現場で決断するための、超実践的なコーポレート・ファイナンスのバイブルが誕生。 奥深いマーケットの世界を、充実のケーススタディで解き明かす! ファイナンスや会計の書籍を読んだ読者から最も多く耳にするのは、「一通り読んで理解はできたような気がするのだが、実務で使える気がしない」という声。 この理論と実務の間に「橋をかける」ために生まれたのが、本書だ。 理論的な企業価値を算出することは、 やり方さえ知ってしまえば誰でもできる。 しかし、「理論的に算出された株価」と「現実に市場で付く株価」は、多くの場合乖離する。 その理由は何なのか。ここに対峙して初めて、コーポレートファイナンス「戦略」と呼べるのだ。 本書は、類書が手薄になりがちな市場との対峙方法(IRや配当や自社株買いなどの株主還元政策)についても、多くのページを割いた。また、最近日経新聞でも頻出のROICも、既存指標との差から実務での使い方まで詳しく解説している。 最終章には、ビジネスセンスに直結する「ビジネスパーソンとしてざっくり知っておくべき主要数字一覧」もまとめた。まさに、実務に直結するファイナンスの入門書であり、決定版である。 第1章 ファイナンスの全体像: Life of a Company 第2章 ファイナンスに必要な会計を理解する ファイナンスと会計の関係は「原因と結果」 P/Lはフロー、B/Sはストック 利益は「意見」、キャッシュは「事実」 他 第3章 会計をファイナンスに 生かすためのキャラクター分析 ROAに隠された「収益性」「生産性」からわかる会社のキャラクター 株式市場はキャラクターをどう評価するか ROICはバリュードライバーを明らかにする 他 第4章 ファイナンスの一丁目一番地 「現在価値」 現在価値の概念 他 第5章 資本コストをマスターする 加重平均資本コスト(WACC)の概念 CAPMは投資家の思考プロセスを反映したもの ベータ(β)は個別銘柄のリスクを表す 他 第6章 DCF法による事業価値の算出 なぜ、ファイナンスの世界ではROICが重宝されるのか? フリーキャッシュフローの予測 WACCの算定 ターミナルバリュー(永続価値)の算定 補論:DCF法によるバリュエーション詳解 他 第7章 株式市場での同業他社の評価 株式市場がどう評価しているのか理解するのがComps PERもEBITDAマルチプルも成長性と収益性に応じて高くなる カレンダライズ(Calendarize) 他 第8章 M&Aにおける買収金額の決め方 買収金額の相場 シナジー効果と買収金額 のれん償却への対応 上場企業の買収におけるTOB価格の決定 他 第9章 株主還元政策 過小評価されている配当の重要性 配当 v.s. 自社株買い 株主優待をどう考えるべきか 他 第10章 IR戦略 機関投資家 v.s. 個人投資家 マーケットを司る超重要要素としての流動 どの投資家にアプローチするか 他 第11章 ベンチャーファイナンス 未上場企業の株価はどうやって決めるのか? 上場までの株主構成をどう考えるか(資本政策) クラウドファンディング 他 第12章 ビジネスパーソンとして ざっくり知っておくべき主要数字一覧 はじめに(一部抜粋) 世界の時価総額ランキング50位に日本企業は何社入るでしょうか? たった1社、(トヨタ)のみです(2019年3月現在)。 どうして、1社しかランクインできないのでしょう? なぜ、FAANG(Facebook, Amazon, Apple, Netflix, Google)は日本で生まれないのでしょう? 答えは、「日本企業の戦略上に圧倒的に欠けている要素があるから」。 それがコーポレートファイナンスです。 FacebookはInstagramを買収していますし、iPhoneに搭載されている音声認識のSiriは、Appleが買収してきた事業をベースにしています。YouTubeも Googleが2006年に買収した事業です。 いいものを作れば売れる時代は終わりました。絶妙なタイミングで最適な資金調達を行い、大胆かつ緻密に練られた投資戦略を実行する、そうして初めて企業は移り気な顧客に長く愛される存在となります。 誤解を恐れずに言えば、日本企業は、これまでのっぺりと資金調達を行い、なんとなく事業投資をしてきた結果、世の中にあってもなくてもいい存在になってしまっています。 しかし、そんな中大きく躍進した日本企業があります。ソフトバンクです。 同社の時価総額は、国内ではトヨタに次いでなんと2位(株価は日々上下しま すので、2019年2月末時点では2位をNTTドコモとNTTと争っている状況です)。 1981年に孫社長が設立した同社は、約35年でここまで上りつめました。同社をそこまで成長させた原動力は、コーポレートファイナンス、その一言に 尽きます。 筆者(保田)の同級生で、グローバル企業に勤務する文系出身の人間がいます(40代半ば)。今は部長職で、コーポレートファイナンスとM&Aに強いことを理由にヘッドハンティングされました。彼が言うには、メーカー、製薬会社など、モノを作る企業では理系でないとなかなか経営層にまで出世できないため、文系にはなんらかの武器が必要とのこと。 かたや、別の理系出身の同級生は、社内研究所の主力メンバーにはなっていますが、「技術がわかるだけでは経営層にはなれない。今さらだけど、経営を学びたいんだ。何から学べばよいかな......?」と、私の「神戸大学経営学 研究科」と書かれた名刺をまじまじと見ながらつぶやきました。 “It's the economy, stupid! (重要なのは経済なんだよ!)"これは、アメリカ のクリントン元大統領が大統領選のときに使ったスローガンです。われわれは、今こそ日本のビジネスパーソンに問いたいのです。“It's the Corporate Finance, stupid!" と。 あなたの出世も、あなたの企業の成長も、すべてコーポレートファイナンス次第です。なぜか。2018年、日本企業のM&Aは件数、金額ともに過去最高となりました。また、同時に事業の撤退・縮小も過去最多ペースです。これらが意味するのは、企業が従来の「研究開発重視・依存の成長モデル」から、「事業の積極的な組み替えによる成長モデル」に移行しているということです。 そこで必要となるスキルこそ、コーポレートファイナンスだからです。
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