本書は、ロシア革命とレーニン、トロツキーの時代、そしてスターリン独裁時代のソ連邦に生きる民衆が経験した、貧困の中での燃えるような希望、そして希望を押しつぶした全体主義的独裁政治による血も凍るほどの弾圧、自由の剥奪、権利の圧殺に対して、レーニン、トロツキーらの人間解放と共産主義思想の真髄に依拠して闘いぬいた一人の女性革命家の貴重な体験の記録である。サミズダート(地下出版物)などでスターリン時代のソ連邦の反人間的実態を暴き出し、告発した出版物は数多くある。しかし彼女のこの自伝ほど、ロシア革命の燃えるような希望を生き生きと語り、それを押しつぶしたスターリニスト官僚体制による独裁政治に抗して、革命の理想をあくまで貫き、生き抜いた強靭な意志の存在を示す著書はなかったのではないだろうか。(解説より) 目次 訳者の言葉、本書との出会い 序文:ナディエジュダ・ヨッフェ Part1 若きコムソモール 1‐1 父とメジライオンツィのメンバーたち 1‐2 ベルリンのソヴィエト大使館 1‐3 革命ロシア初代駐日大使の父と訪日 1‐4 一九二四年、一八歳、レーニンの死 1‐5 エセーニン、マヤコフスキーのこと 1‐6 レフ・ダヴィドヴィッチ・トロツキーの実像 1‐7 父ヨッフェの自殺と遺書 ヨッフェの遺書 1‐8 父の葬儀とトロツキー最後のスピーチ、私の逮捕 トロツキー最後のスピーチ 1‐9 遠隔地への追放、クラスナヤルスクからハバロフスクへ Part2 極東コリマの強制収容所にて 2‐1 夫婦共、コリマの矯正労働キャンプへ、そして夫との別れ 私の逮捕から一〇日後に夫パヴェルが逮捕/五年間の矯正労働キャンプの決定と夫の請願/母の夫のミーシャの逮捕と銃殺/マセヴィッチ、レニングラードNKVDの秘密政治部の元部長/アレクサンドラ・リヴォーブナ・ブロンシュタイン/モスクワ裁判の被告たち/護衛なしの一人旅/夫が働く「五ヶ年計画」と呼ばれる鉱区にたどり着く/夫との別れ、三番目の娘の出産へ 2‐2 「人民の敵」としての五八条項者 キーロフ殺害事件に関わるとされたレニングラード指導層の総体が逮捕されたとの推測/囚人の中で唯一専門の職につけるドクター/密告者たち/一九三八年初頭のコリマ/母の逮捕を知る/寄せ集め一座のプリマ・ドンナへ/パヴェルの「消息」についての質問/オペレッタの大きな成功 2‐3 一九四一年四月一〇日、自由市民へ Part3 コリマからの解放、再びの流刑、フルシチョフの雪解け 3‐1 戦争の勃発、娘の体験したこと 3‐2 結婚と四番目の娘、戦争を予言した人々 3‐3 遠隔地への追放決定と逮捕状 3‐4 自由流刑、クラスナヤルスク地方、特別な命令があるまでの不定期刑 3‐5 タシーヴォの流刑者たち 3‐6 さようならシベリア! パヴェルの党員資格は死後復権 あとがき 訳者のあとがき(晩年のナディエジュダ) 解説 ロシア革命から101年 希望と闇の時代を生き抜いた強靭な精神の記録 国富 建治 1 著者の父、A・A・ヨッフェ——トロツキーの生涯にわたる同志 /2 本書出版の経過 /3 1917年革命と政治への目覚め /4 スターリン支配に抗して 最初の流刑 /5 二度目の流刑 夫との別れ /6 大粛清の時代 /7 三度目の流刑 /8 ロシアと死刑制度 /9 終わりに
人気のある作家
鉄人社編集部 (63) AERA編集部 (58) 東京リーガルマインド LEC総合研究所 (40) 池上 彰 (27) 判例六法ラノベ化プロジェクト (27) 編集部 (26) 橋下 徹 (26) プレビジョン (25) TAC中小企業診断士講座 (21) 伊藤 真 (21) 有斐閣 (20) 講談社 (19) 馬渕 睦夫 (19) 石平 (19) TAC社会保険労務士講座 (19) 倉山 満 (18) 江崎道朗 (18) TAC税理士講座 (17) 伊藤塾 (16) (15)最適なファイルサイズ
401 KB 189 KB 519 KB 1335 KB 1358 KB 1531 KB 1695 KB 1712 KB 18108 KB 184 KB 1993 KB 237 KB 278 KB 332 KB 380 KB 381 KB 3864 KB 408 KB 441 KB 472 KB