度重なる死線をくぐり抜けたった1人で巨大メーカーに挑戦し勝利を収めた技術者 「バイクのエンジンもな、手をかけてやると魂がこもるんだよ。」 ポップ吉村は、世界グランプリ挑戦前の若き根本健にこう言ったという。実際、彼のバイクは、メーカー製ワークスマシンをものともせず、サーキットを暴れ回った。その速さに目を見張った本田宗一郎が、エンジンの馬力測定を頼んだくらいである。「エンジンの神様」という称号を、ほしいままにした男、ポップ吉村。彼の人生は、称号の華やかさとは逆に、苦難の連続であった。パラシュート事故、ホンダからの部品供給停止、アメリカで詐欺にあい商標を含め、すべてを失った。そして、工場の火事で全身大やけど、家族の死……。それにもかかわらず、サーキットで勝ち続けてきた。現在、彼の育てたメカニック、ライダーは世界中のチームに散らばり、トップ争いを繰り広げている。ポップは彼らの勝利を待ち望み、今もサーキットを見つめ続けている。
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