9作目、『山本七平・異論』を漸く、電子書籍で上梓できるところまでこぎつけた。山本七平の書籍は、数十年前から、何かにつれ何度も購入、読んでいた。しかし、僕は、これだけ考え方の違う論客に惹きつけられてしまう自分を、理路整然と理会してはいなかった気がする。むしろ、ストレスを感じながら、論考としてまとめあげようと努力していく過程で、筋道通りの納得ができた気がする。そもそも、僕が為そうとしているのは、20世紀のうちに死滅していく殆どの思想の中で、21世紀後半まで生き残る戦後思想家は誰か?の一人に山本七平を挙げていて、彼らの営為が、何故、永続的に生きながらえているのか?の解明に、残り少ない人生を宛がおうと考えていた。だから、『山本七平・異論』をまとめる決意にいたったのだ。 では、山本七平のどこが、21世紀後半へと連結していく思想たり得たのか?と自問してみると、具体的に、明確に摂りだすことができない。そこで、かつて読んだ彼の本、新たに購入した本を、五章に分けて、それぞれにはめ込み、順番に煮詰めていくことにした。その中で、篩い落とされるものを除き、中軸として筋が通った流れだけを、筆者が考えている「山本学」と称して、読者に提示することにした。その五章とは、次のようなものだ。第一章 山本七平の位相(四冊の副読本)第二章 山本七平の原点―戦争第三章 山本七平の日本資本主義論第四章 山本七平の歴史戦略論第五章 山本七平概要(総論) 第一章は、吉本隆明・江藤淳の初期の思想構築と山本七平との差異、第二章は、山本が、戦争(フィリピン戦線)で得たもの、喪ったもの、第三章は、彼が使命とさえ考えていた日本資本主義分析の是非、第四章となると、セム族的キリスト観的4次元的視点から捕えようとした日本人―日本史の戦略的確立、最後の第五章では、像としての山本七平、ぜい肉を多く付着させた山本七平像から、ピュアな中枢までそぎ落としていくと、どのような本質、内面が浮んでくるのか?を語ってみて、ひとつの節で、「右派であろうと左派であろうと」との設定を試みても、僕にはどうしても馴染めない、右派論客=山本七平の全体像を掴んでやろう、と発奮してつかみとった書と思っていただきたい。このように5つのカテゴリーに分けて考察すると、「山本七平」の全体像が浮かび上がり、捕え切れたと考えている。詳しくは、内容をとことん吟味し、十全に確認し尽くしてほしい。是非購読を!
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