抗体製剤を中心とする生物学的製剤は,その標的特異性による高い有効性と安全性により,多くの免疫介在性疾患の治療の中心となっている。特に各生物学的製剤の疾患ごとの臨床試験における有効性は,病態に関与する経路の最終的なエビデンスとして,病態解明にも重要である。従来,日本では基礎免疫学研究が盛んであったが,免疫異常による疾患を研究する臨床免疫学も,多くの日本発のエピデンスが生まれる領域に進展している。生物学的製剤の興味深い点は,異なる領域の多様な臓器に関連する疾患に,同じ製剤が有効性を発揮する点である。特にTNF 阻害薬は,関節リウマチ,脊椎関節炎,乾癬,炎症性腸疾患,ベーチェット病など様々な疾患において高い有効性を発揮する。実際に臨床研究では,脊椎関節炎,乾癬,炎症性腸疾患を同時に合併する症例が一定数存在することも明らかとなり,異なる臓器炎症に密接な関連があることが示された。このような事実から,特定の領域だけでなく,免疫介在性疾患全体における生物学的製剤の有効性を俯瞰することで,個々の疾患の理解がより深まることが期待される。本書では,免疫介在性疾患を俯瞰する意味を込めて,リウマチ・膠原病内科,消化器内科,呼吸器内科,整形外科,皮膚科など,生物学的製剤を活用している様々な分野のエキスパートに解説をお願いした。いずれの疾患も,概念,疫学,診断,診療ガイドラインが主要な生物学的製剤と関連づけられつつ,大変わかりやすく解説されている。
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