国選定保存技術「日刀保たたら」が提起するポストコロナの世界 なぜ近代科学が原発事故やコロナパンデミックに代表される限界を内包し、そして露呈させてしまったのか。その問題を解くよすがとして、全てを人力で行い、近代科学の対極の位置すると考えられつつ、自然の恵みのみを基盤として製鉄をする「たたら製鉄」の動向や歴史を通じて考えるという方法をとりたい。(「はじめに」より) 「日刀保たたら」とは、戦後、高まりゆく日本刀の原料供給への要望に応え、(公財)日本美術刀剣保存協会が復活させた“文化財"である。 本書は、四半世紀以上この現場に従事した著者だからこそ感得できた「たたら製鉄三原理」の中に、行き詰まった近代科学「思想」からの打開策があるという刺激的な思考に満ちた一書である。
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