温泉まちづくり研究会は、観光まちづくりに熱心に取り組む温泉地が集まり、温泉地に共通する課題についてその解決の方向性を探り、全国に情報発信することを目的として、2008年6月に発足しました。 第1ステージ(2008~10年度)、第2ステージ(2011~12年度)、第3ステージ(2013~15年度)、第4ステージ(2016~18年度)を経て、2019年度からは第5ステージへと突入しました。 第5ステージでは、インバウンド時代の観光振興を見据え、会員温泉地の代表メンバーを刷新。加えて、これまでのアドバイザー制度を共同研究者制度に一新しました。世代を超えて、温泉を国際的な余暇需要としていく「温泉バカンス」研究を開始しています。 こうした矢先に、大きな激震が走ったのが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国際的な感染拡大です。今年度、国内でも2度の緊急事態宣言が発出され、観光業をはじめとした経済全般は大きな打撃を受けています。テレワークの普及やデジタル化の加速など、ライフスタイルや旅行を取り巻く価値観も大きく変化しており、改めて温泉地の価値やあり方が問われています。 今年度の温泉まちづくり研究会では、初代町長のまちづくり精神を100年にわたって受け継ぎ、官民協働で取り組みを進めている道後温泉の様子を学んだ他、「雪国文化」を体感できる宿として地域をつなぐ試みを進めている南魚沼市のryugonからは、温泉地での長期滞在を実現するために必要な考え方や要素を学びました。コロナ禍での温泉地の課題や対応策を共有しながらも、ポストコロナを見据え、長期的かつ地道にまちづくりに取り組んでいくことの重要性を改めて認識しました。本総括レポートは、2020年度の研究会における議論の内容を取りまとめたものです。温泉地の方々が具体的なアクションを起こす際のヒントになりましたら幸いです。
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