昭和2年の初版発行以来、「金融機関のバイブル」として時代を超えて読み継がれ、 多くの金融機関経営者が座右の書に挙げる『銀行業務改善隻語』の 待望の現代語訳です。 『銀行業務改善隻語』は、昭和2年の金融恐慌直後に、一瀬粂吉氏(旧三十四銀行副頭取のちに三和銀行取締役)によって 上梓されました。金融恐慌により、我が国の金融界は未曽有の危機に見舞われましたが、 その経験を踏まえた、金融機関経営のあり方や金融機関で働く人たちの生き方についての警世の言葉が 本書にはまとめられています。 本書は名著と評され、前述のとおり、本書を座右の書に挙げる金融機関経営者は少なくありません。 ただ、その格調高い文語調の文体には、一方で読みづらいという声も少なくありませんでした。 そこで今回、原著の文章がもつ格調を残しつつ現代語訳を行い、理解が深まる解説や、 さらには難解な言葉や背景理解が必要な言葉には脚注を付けて刊行いたしました。 現代語訳と解説は、日本銀行で北九州支店長、大阪支店副支店長、金融機構局審議役(地域金融担当)などを歴任し、 地域金融のあり方を長年にわたり見つめ続けてきた日本銀行金融研究所シニアリサーチフェローの長野聡氏が担当しています。 「金融業に携わる人々、なかんずく、次代を担う20代、30代の若手金融マンが本書を味読され、 金融業務の本質に触れられることを願ってやまない。」 これは、金融庁監督局の遠藤俊英局長が、本書の巻頭にご寄稿いただいた文章の一節です。 ぜひ、多くの金融機関関係者に本書を手に取っていただき、激動の金融界を生き抜く指針としていただければと思います。
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