針習と貝元、あまり聞きなれない名称です。針習は、シリーズ1でお話した永岡遺跡と吉ヶ浦遺跡のほぼ中間の丘の上です。貝元は、山口川上流の河畔の遺跡です。シリーズ1の全滅した遺跡とは異なり、どちらの遺跡からも甕棺墓はほとんど発掘されませんでした。しかし弥生時代の継続する集落遺跡が発掘されています。特に卑弥呼即位に関連する倭国大乱期、卑弥呼が女王であった弥生後期(AD183-249)、この時期に着目して報告書を見ています。貝元では卑弥呼が即位(AD183)した直後、弥生後期初頭から人口が倍増します。弥生後期、女王卑弥呼の時代に繁栄します。卑弥呼の親派の集落のようです。畿内の土器は無く、地域の土器だけです。そして弥生時代の終わり、卑弥呼の死とともに急速に衰えました。卑弥呼の動静に大変敏感です。一方、貝元から2kmほど北に、ちょうど倭国大乱期、100基以上の甕棺墓が発掘された道場山遺跡があります。ここは全滅だと思われます。地理的には、高雄川から西へ相当離れており、鷺田川の上流域です。シリーズ1とは別種の様相です。この道場山遺跡も少し詳しく見ています。
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