いきなりゾロアスター教ですが、これはチンピラの宗教ではなく、かつてペルシャ帝国でも認められた宗教です。豊穣の神に対峙する遊牧民の宗教という基本的な位置付けです。頭が変形しても豊穣の神と対峙します。しかし、その復活は、インドのヒンズル教を取り込み、基本理念も変容させ、組織的な宗教として拡散していきました。信念は岩をも砕く。岩も食べるということです。遺跡でゾロアスター教の痕跡が確認されたこと、更に奈良時代にトカラ人が来日した記録があること、これを強調して宗教哲学的なタイトルにしていますが、シリーズは邪馬台国 卑弥呼です。卑弥呼の即位そして女王卑弥呼の時代、後期弥生時代の遺跡を見ていきます。シリーズ1の吉ヶ浦遺跡と御笠地区遺跡群の宝満川、シリーズ4の太宰府天満宮参道の奥園遺跡と馬場遺跡の藍染川、この2箇所は平野部にも関わらず後期弥生時代の遺跡が全く皆無でした。今回は、この2箇所の中間に位置する高雄山の丘陵地帯の遺跡を見ていきます。驚くことに中間地点では後期弥生時代の遺跡が存在します。山麓の菖蒲浦古墳は、多くの副葬品を伴います。もう1点は、蔵骨器による火葬が行われていることです。シリーズ4で見た安楽寺の緩斜面の浦ノ田遺跡Ⅳでも蔵骨器の火葬骨は出土していましたが、高雄山の丘陵域では広域で発掘されています。現在の日本の墓制は火葬納骨が多いですが、日本ではこの頃に始まったことがわかります。更に古いようです。またシリーズ1の御笠地区およびシリーズ3の貝元遺跡で、248年の卑弥呼の死により地域情勢は急展開したことが分かりました。目まぐるしい急展開ですが、女王卑弥呼の何かを求めて、発掘調査報告書を1個づつ読んでいきます。
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