「いいか、世の中は戦場なんだ」 冷たく緊張した家族関係、いじめ、教師からの虐待、親の精神疾患、ゴミ屋敷、性被害、デートDV、セクハラ・パワハラ…… 父親の言葉が成就するかのように、主人公・愛が負っていく数々の傷。『80年生まれ、佐藤愛』は、発達障害と複雑性PTSDを抱える作者・宇樹のトラウマティックな半生を克明に描いた、ほぼノンフィクションの私小説。実用書『#発達系女子 の明るい人生計画』でデビューした筆者が初めて手がけるこの小説は、韓国のフェミニズム小説『82年生まれ、キム・ジヨン』へのオマージュ作品。女性の発達障害当事者である1980年生まれの作者・宇樹義子が経験した人生のできごとを静かな筆致で描き出している。誰かが発達障害を持って生まれたというだけで、それが女性だったというだけで、発達障害女性たちは社会から環境から、ごくあたりまえに傷を負わされていく。作者・宇樹はそんな女性たちとあえて自らの絶望の物語を共有することで彼女らと力づけあいたいと願い、1年をかけてこの作品を書き上げた。私たちはひとりじゃない。====目次第一章 1980—1986 幼児期:弾ける花火第二章 1987—1990年 小学校四年まで:「子ども」をやめる第三章 1990—1992年 小学校六年まで:シャボン玉が割れた第四章 1993—1995年 中学生:「女」になっていく第五章 1996—1999年 高校生:死なないために死ぬ第六章 1999—2000年 大学生:呼吸がしたい第七章 2000—2003年 大学生:社会の洗礼第八章 2003—2007年 二〇代:憂き世第九章 2006—2011年 三一歳まで:失われていくあとがき===
人気のある作家
Audible Studios (151) 司馬遼太郎 (73) KADOKAWA (70) 夏目 漱石 (66) 太宰 治 (62) 新日本文学電子大系出版会 (56) 豊島 与志雄 (55) 池波 正太郎 (54) 牧野 信一 (54) 京極 夏彦 (48) 坂口安吾 (47) 池井戸 潤 (41) 芥川 龍之介 (40) 村上 春樹 (39) 東野 圭吾 (39) 林真理子 (39) 宮沢 賢治 (38) 森 博嗣 (36) 松岡 佑子 (32) 宮部 みゆき (28)