閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション (朝日新書) ダウンロード

Isbn 10: 4022950595

Isbn 13: 978-4022950598

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本の説明

「大人の貧困」は他人事ではない! 誰も路頭に迷わせない! ●社会からもコミュニティーからも孤立し、行政とも支援団体ともつながることのできない「見えない人たち」 (インビジブル・ピープルInvisible People)が増えている。 ●日々の寝泊まりにも困り、生活に困窮する人々が声をあげにくい風潮はこの社会でますます強まっている。 ●「住居喪失」した人が失うのは、生活の基盤である住まいだけではない。生存そのものが脅かされるのだ。 ●「大人の貧困は自己責任」という不寛容に終止符を打つ必要がある。貧困問題は他人事ではない。 ●25年にわたり、3000人以上のホームレスの生活保護申請に立ち会い、一貫して支援に取り組んできた稲葉剛氏が、貧困・住居喪失・生活保護問題の最前線を徹底ルポ! 【出版社から】 豊富な事例と現場ルポで「今、この国で起きていること」をアリの目で伝え、 「大人の貧困」対策の重要性を説く社会活動家・稲葉剛氏の最新刊です。 カジノ問題、生活保護基準引き下げ問題など、「見えない人たち」の生存に直結する行政との攻防、政策に向けた行動力は圧巻です。 ギャンブル依存について横浜・寿町で精神科医を務める越智祥太氏に話を聞く場面、 そして、生活保護問題をめぐる「いのちのとりで裁判」への道筋を以下、一部紹介します。 [寿町では、昔から依存症の問題は深刻だったが、その傾向は時代とともに変化してきたと、越智さんは言う。 「昔から依存症の方はたくさんいました。 ただ、目立っていたのはアルコール依存症や薬物依存症の人。 ギャンブル依存症もありましたが、当時はいろんな依存症を合併している人が多かったです、 荒くれな感じの人で、お酒も飲むし、薬物もするし、ギャンブルもするというタイプですね」 状況が一変したのは、2008年のリーマンショックがきっかけである。 若い非正規労働者が失業して寿町に来るようになったのだ。 その人たちの中には、工場で働いてきたものの、人付き合いが下手で、 不況になると真っ先にクビを切られてしまう、というタイプの人が少なくなかった。 「その頃から、30―40代の比較的若い人たちのギャンブル問題が顕在化してきました。 彼らはギャンブルだけに依存していて、酒は飲まない、薬物もやりません。 ギャンブルといっても、ほとんどの人がパチンコ、パチスロ、スロットといったマシンにはまっていて、 それ以外の競馬、競輪、競艇等で依存症になった人は極めてまれです。 パチンコの人はパチンコだけ、パチスロの人はパチスロだけ、スロットの人はスロットだけ、という特徴があります」 そうしたマシンでプレイをする感覚は『ゾーン』と呼ばれている。 「当事者の方に話を聞くと、ギャンブルマシンの前に座っていると、 『ゾーン』と呼ばれる機械と自分が一体化したような感覚になるそうです。 そうなると、勝ち負けはどうでもよくなり、どれだけ長く座っていられるかだけを考えるようになります。 脳が変化して、ギャンブル以外のことに関心を持てなくなったり、喜びを感じなくなったりするのです」 越智さんにギャンブル依存症対策で何が必要かと質問すると、 「ギャンブル施設を作らないのが一番の対策」という言葉が返ってきた] (本書55-61ページより) [2013年1月27日に発表された生活保護基準の見直しでは、 3年かけて計740億円の予算を削るという内容になっていたが、その金額の内訳は以下のとおりであった。 •基準部会の検証結果を踏まえた削減:90億円 •2008年以降の物価動向を勘案した削減(デフレ調整):580億円 •年末年始の出費に対応する期末一時扶助の削減:70億円 この内訳を見ると、 基準部会の報告書だけでは大幅な削減ができないと考えた厚生労働官僚が報告書の検証結果に上書きする形で、 「デフレ調整」を名目にした一律の引き下げを行ったというのは、誰の目にも明らかであった。 「デフレ調整」分は、マイナス4・78%とされていた。 その算定にあたって、厚生労働省は「生活扶助相当CPI」という独自の指標を開発していたが、 その算定方法には統計学の専門家からも疑問の声があがっている。 田村厚労相が先に示した「引き下げありき」の方針に従うために、 無理に無理を重ねた結果、科学的データに基づく専門家の部会の議論は、ほぼスルーされたのである。 自分たちの議論の蓄積を無視された形になった基準部会の委員からは疑問の声があがっていた。 そして、それは裁判の場でクライマックスを迎えることになった。 2013年からの生活保護基準引き下げに対して、 私たちは全国の生活保護利用者に行政不服審査制度に基づく不服審査請求を呼びかけた。 この不服審査請求運動に参加した生保護世帯は全国で1万を越えた。 不服審査自体は却下されたものの、不服審査請求運動に参加した人のうち 約1000人は、引き下げの違憲性を問う民事訴訟に移行。現在、全29の都道府県で裁判が進行している] (本書152―154ページより) [目次] はじめに ・「見えない人々」 ・社会的排除とは何か 【第1章】2020年東京五輪の陰で排除される人々 ・都市空間からの排除 ・池袋西口公園から消えた路上生活者 ・福祉事務所は何をしていたのか ・新国立競技場建設に伴う排除 ・都営霞ヶ丘アパートの取り壊し ・追いやられる原発事故避難者 ・「祝賀資本主義」の弊害 ・アトランタ五輪における路上生活者排除 ・調査の2倍以上という衝撃 ・台風警戒の呼びかけ最中での出来事 ・「住所不定者は受け入れない」 ・区長が謝罪コメント ・排除を正当化する声 ・歴史に由来する根深い問題 ・命と安全を守る意識が欠如した台東区 ・区長宛ての要望書に書かれたこと ・カジノ問題で揺れる横浜・寿町 ・「労働者の町」から「福祉の町」へ ・寿町の依存症問題 ・「穴だらけ」の日本のカジノ規制 ・ホームレス問題とギャンブル依存症の深い関連 ・借金から逃げ出し、寿町へ ・立教大学におけるカジノ推進イベント ・「ビッグイシューの仕事はできません」 ・SNSに写真がアップされるリスク ・犯罪歴のデジタルタトゥー ・家賃滞納者のブラックリスト ・個人情報を信用スコアとして点数化 ・貧困状態を固定化しかねない「バーチャルスラム」 【第2章】世代を越えて拡大する住まいの貧困 ・今晩から野宿になるとブログで報告した若者 ・「ネットカフェ難民」調査が明らかにした実態 ・親元から出ることができない若者たち ・若者の貧困を放置していてよいのか ・困難極める単身高齢者の部屋探し ・貧困ビジネス施設が「終のすみか」に ・消えた数値目標 ・障害者差別解消法は入居差別をなくせるか ・新たな住宅セーフティネット制度 ・日本はすでに「移民社会」に ・外国人への入居差別 ・住まいの差別を禁止したフェアハウジング法 ・LGBTの住まい探しの困難 ・「ここで自分のことを話さないといけないのですか」 ・「LGBT支援ハウス」開設 ・LGBTの生活困窮の背景 ・「#私の住宅要求」キャンペーン ・住まいをめぐる切実な声 ・住宅政策を選挙の争点に 【第3章】最後のセーフティネットをめぐる攻防 ・「私は人間だ、犬ではない」 ・就労可能か不可能かという「線引き」 ・立川市生活保護廃止自殺事件調査団の結成 ・「路上生活歴」をどう受け止めるか ・「その他の世帯」への支援をどうするか ・悲劇を繰り返さないための取り組み ・「保護なめんな」ジャンパーの衝撃 ・検証委員会に当事者が入った意義 ・「生活保護受給者」から「生活保護利用者」へ ・小田原市だけの問題なのか ・不正受給より「受給漏れ」の方が深刻 ・自民党の公約実現のための生活保護基準引き下げ ・「ここから下は貧困」と定めるライン ・厚生労働官僚はどのように痕跡をもみ消したのか ・再度の生活保護基準引き下げ ・「貧困スパイラル」という「悪魔のカラクリ」 ・「健康で文化的な生活」とは ・生活保護基準と年金額の比較は無意味 ・生活保護法から生活保障法へ 【第4章】見えなくさせられた人たちとつながる ・『路上脱出ガイド』を作成、無償配布 ・『路上脱出・生活SOSガイド』への名称変更 ・待っているだけでは出会えない少女たち ・漂流する妊婦を支える ・実質的な「ホームレス」を支援する団体が増加 ・新たな基金を作り、緊急宿泊支援に助成 ・差別と偏見による分断 ・政治と差別をテーマに110人が参加して集会 ・「障害の社会モデル」、変わるべきは社会環境だ ・健康格差を生じさせる社会的要因 ・当事者の「語り」に触れることが重要 ・貧困対策にも分断が持ち込まれている ・緊縮マインドが分断を招く ・誰も路頭に迷わせない東京をつくる ・年末年始に「人生初の野宿」を経験 ・公的支援は事実上、機能を停止 ・仙台で始まった「大人食堂」の取り組み ・新宿で「年越し大人食堂」を開催 おわりに ・閉ざされた扉が開いても ・社会的包摂を越えて ・日々の実践を積み重ねる 【著者紹介】 稲葉剛 (いなば・つよし) 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、認定NPO法人ビッグイシュー基金共同代表、立教大学客員教授、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人、生活保護問題対策全国会議幹事。1969年、広島市生まれ。東京大学教養学部卒業(専門は東南アジアの地域研究)。在学中から平和運動、外国人労働者支援活動に関わり、94年より東京・新宿を中心に路上生活者支援活動に取り組む。2001年、湯浅誠氏と自立生活サポートセンター・もやい設立。09年、住まいの貧困に取り組むネットワーク設立、住宅政策の転換を求める活動を始める。著書に『貧困の現場から社会を変える』『生活保護から考える』、共編著に『ハウジングファースト』など。

著者 :稲葉 剛
Isbn 10 :4022950595
Isbn 13 :978-4022950598
によって公開 :2020/3/13
出版社 閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション (朝日新書):朝日新聞出版