私は海上災害防止センターに昭和59年から21年間勤務し、海の油濁対応に数多く取り組んできた。平成17年に現役を引退した後も今日まで「海と渚環境美化・油濁対策機構」の専門家として、又はNPO法人「川の油濁防止技術研究会」の要員として要請のあった時、海と川の油濁現場に赴き漁業者等を支援する立場で活動してきた。 多くの場合現場は何時も混乱状態にあり、その中に入り対応を支援してきたと思っている。海洋の油濁事故対策は世界で既に半世紀の歴史があり、数多の類似事例を経験しているが、その割には今なお日本では専門家も記録書も少なく体制、法律、人材育成、資機材に改善の余地を多く残したままになっている。本書ではそのような視点から今一度「海に油が流出しいたらどの様に対処するのか」について包括的に検証してみたい。(はしがきより) タンカーや一般船舶の油流出事故は、残念なことに、世界の海のあちこちで起きています。 対処方法も進歩はしていますが、まだまだ不充分なようです。 著者はお役所で、油流出事故への対応に当たるお仕事をされていました。 油が流れ着いた現場の様子を、詳しく伝えてくれています。 大変なご苦労をされたのです。 資料3,4の、著者の体験談は、貴重な記録です。 流出油との「戦」を、豊富な写真によって、眼前に見ることができます。(楠木しげお)
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