脳腫瘍で頻度が最も多い膠芽腫(グリオブラストーマ)は治療が極めて困難で、がんの中でも予後が極めて悪い腫瘍です。標準治療だけでは根治は稀で、診断からの生存期間の中央値は12〜15ヶ月で、2年後の生存率は20〜30%、5年生存率は5%以下です。この生存率は最新の治療を受けた場合の数値であり、治療成績は20年以上ほとんど改善がありません。がんの代替療法の分野では、非がん治療薬の適用外使用によるがん治療の研究が、近年大きく注目されています。これを医薬品の「転用」や「再利用」と言います。がん治療以外で使用されている医薬品の中にがん治療に役立つ薬が数多く見つかっています。転用薬を使用したがん治療は、副作用が少なく、しかも多くは安価な費用で実践できます。膠芽腫に有効な再利用医薬品も多数報告されています。膠芽腫の標準治療はこの20年以上、ほとんど進歩していません。標準治療で限界があれば、補完・代替療法の研究や利用を検討する価値はあります。実際に、標準治療以外の方法も併用すると、膠芽腫でも根治する可能性があることを、私の臨床経験から確信しています。本書では、膠芽腫の治療がなぜ困難かという理由を解説し、転用薬やサプリメントやケトン食を組み合わせた膠芽腫の代替療法について解説しています。標準治療で匙を投げられた患者さんでも、治る可能性のある治療法がまだあることを知っていただきたいと願っています。
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