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本の説明

17年にわたる取材で伝説の日本料理店 「京味」料理長・西健一郎の外不出の流儀を 描き切った唯一にして最高のノンフィクション! 過ぎてようやく気づく。 京味は、味だけでなく、店の佇まい、気遣い、 動き、会話、香り、リズム、気配、 すべてが日本の文化そのものだった。――阿川佐和子 最後に店に行った日、デザートも終わって、お茶を飲んでいた時のことだ。 わたしは訊ねた。彼は父親の本をわざわざ見せてくれたりして、 ほんとに上機嫌だったからだ。 「西さん、いい料理人になるには何をすればいいんですか?」 とたんにものすごく機嫌が悪くなった。 「いい料理人になるには? 勉強することの他に何があるんですか? 食べ歩きしたら、料理が上手になるんですか?」 言い過ぎたと思ったのか、照れた顔になった彼は 「先生、教えてあげるわ」とつぶやいた。 「いい料理人になるにはね……」(「まえがき」より) 【目次】 まえがき――暑い日に生まれた人 プロローグ――西健一郎の天才 第一章 春の思い出――子どものころ 第二章 高度成長の夏――修行時代 第三章 初秋――東京の味 第四章 音松に導かれて――秋のおいしい味 第五章 京味の章――冬から新年、春へ 第六章 円熟の味――料理人の魂 第七章 京味のいちばん長い日――新年のおせち作り 第八章 料理の本道を往く――おいしいもんと珍しいもんは違う 最終章 みんな家族――西健一郎の遺した言葉 あとがき――おいしさに出る涙 【著者プロフィール】 野地秩嘉(のじつねよし) ノンフィクション作家。 1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。 出版社勤務などを経て現職。 人物ルポルタージュ、ビジネス、食、芸術、海外文化など 幅広い分野で執筆。 著書は『キャンティ物語』(幻冬舎)、『ビートルズを呼んだ男』(小学館)、 『高倉健ラストインタヴューズ』(プレジデント社)、『トヨタ物語』(日経BP社)など多数。 『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

著者 京味物語:野地 秩嘉