「30万人の正式雇用を目指す」――政府の重点課題に盛り込まれた就職氷河期問題。 コロナ禍の影響もあり、この目標が実現する気配はまったくない。 「失われた20年」の泥をかぶった彼らの問題はいまだ解決していないばかりか、 将来的には111万人もの生活不安定者を生み、8兆円の生活保護費追加が必要になるなど、 当事者やその家族だけの問題ではない、日本社会の大きな懸案の1つとなっている。 また足元では、コロナ禍による企業の採用見送りが、 新たな不遇の世代を生みだすのではないかという、懸念の声も高い。 氷河期世代が置かれた現状を分析したうえで、 あるべき支援・取り組みについて提言し、また、20年前と同じ過ちを繰り返さないために どのような雇用のしくみ、セーフティネットをもうけるべきかなど、 「不遇の世代」を生み出さないための社会のあり方について考える。 【目次】 第1章 日本が直面する「氷河期由来」問題 ――今そしてこれから何が起きるか 第2章 なぜ不遇の世代は生み出されたのか ――氷河期がたどった足跡 第3章 「忘れ去られた若者たち」の20年後 ――氷河期世代の実情 第4章 どうすれば状況を改善できるか ――支援の在り方を考える 第5章 次なる氷河期を生み出さないために ――海外の事例に学ぶ 第6章 コロナ・ショックと氷河期世代の未来 ――今後20年をどう設計するか
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