才能を見抜く「力」 6年間のプロサッカー選手時代を経た後、初芝橋本高校のコーチとして指導者人生の第一歩を踏み出した福重良一氏。指導者の人生を歩み始めて20年、これまでに携わった選手から25名がプロの道へ。「輝かしい功績を持つ彼らは自ら成長したのだ」と話すが、そこには福重氏の促す力があった。世界で5本の指に入るドイツのプロサッカーリーグで活躍する鎌田大地選手、サガン鳥栖監督の金明輝氏、アルビレックス新潟の森俊介選手らを可能性のある世界へと繋げたその技術とは。福重氏の目で見て、感じたものが本書に記されている。怪物が成長する姿 アイントラハト・フランクフルト所属の鎌田大地選手。ヨーロッパサッカー界で、名を売り始めた若手選手。福重氏は当時中学3年生だった彼の才能に気が付いていた。しかし、世界で堂々と活躍するその怪物が成功ばかりしてきたかというと、そうではない。福重氏はプロを目指していた彼に必要な課題を見つけ成長を促していた。どんな言葉、どんな指導で変化をもたらしたのか。そして、成長に携わったからこそ見えた数々のドラマ、プロで活躍できる選手が持っている「力」とはなんだったのか。指導者の責任 ドイツで活躍する鎌田大地選手、サガン鳥栖監督の金明輝氏、アルビレックス新潟の森俊介選手。輝かしい実績を持つ彼らのような選手、指導者の成長に携わってきた福重氏。20年間歩んだ指導者人生で得た大切なものとは一体何か。そして、指導者に課せられた「責任」とは。時が進み、流行も常識も変わるなか軸をもって指導することが大切だという。プロサッカー選手の育成に携わった福重氏の経験、考え方を知ることで「プロ」に必要なものが見えてくるだろう。サッカーだけでなく全ての「プロ」を目指す方、指導者、教育者には是非一読いただきたい。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー目次はじめに第1章 私が育成してきたプロ選手ー森俊介選手(アルビレックス新潟所属)ースピードの使い方は緩急がポイントー岡佳樹選手(AC長野パルセイロ所属)ーストライカーをサイドバックにコンバートー中谷喜代志(ヴァンラーレ八戸所属)ー「覚悟」を持っていた弟を恩師に託した兄の思いー金明輝(サガン鳥栖監督)ーストロングポイントを伸ばす指導第2章 サッカー人生の始まりとプロ選手への歩みー兄姉と比べられるのが嫌で始めたサッカーー基礎の基礎を叩き込まれた中学時代ー「無冠の帝王を強くする」和歌山工業高校への入学ー故・金田耕一監督に捧げた初の全国大会出場のタイトルー大阪体育大学はエリートだらけー田舎の天狗から、強烈な向上心でレベルアップを目指した4年間ー生え抜き選手として京都パープルサンガ加入ー「札束が立つ」プロサッカー選手の世界ー驚異的な運動量のゴン中山選手とマンツーマンー元ウルグアイ代表キャプテン・オストラサ選手ー元ブラジル代表・オスカー監督の驚きのアドバイスーラモス瑠偉選手から学んだ、サッカーの魂ー大塚FCヴォルティス徳島への移籍と語られざる裏側第3章 指導者への転身ー初芝橋本高校のコーチに就任ー一緒に練習、一緒に試合で背中を見せるー全国優勝監督・田中勝緒先生はデータの鬼だったー初芝橋本高校監督に就任初めて知った監督の責任ー大阪体育大学でコーチを経て東山高校へー常勝への第一歩は中学校のジャージで行った静岡遠征ー「ユニフォームにこだわれ」3年かけてメンタル強化ー歯車が狂った選手権予選決勝までの1週間第4章 才能を見抜くー努力できるという才能が人を動かすー情熱が選手のスイッチをオンにするー「教えられないもの」を持っているかどうかーざっくりと見て、光るプレーがあるかどうかー靴のかかとを潰して履いている選手ー「有能なのにもったいない」考えさせる言葉で気づかせるーコーチは監督になれそれが良いコーチの最短距離ー雑用係は上級生、背中で伝える無言の教えー「伸びること」と「伸ばすこと」の違い第5章 怪物・鎌田大地の3年間ー2回のパスミス。でもそれが光って見えたー「本気でプロなる気あるんか?」原点を問い続けるー「大地の成長に水を差すな!」退場覚悟で審判へ猛抗議ーサガン鳥栖加入と部員120人からのサプライズー高校最後にかけた言葉と託した思い第6章 「京都3冠」達成の裏側ー突出した選手はいなくても横のつながりで強くなるー「上手い」と「強い」は違う。それが難しさであり面白さ第7章 指導者として大切にしているものー努力をすれば必ず返ってくるープロ選手として見られ続ける覚悟を持てるかーサッカーを離れた教え子たちへー指導者に課せられた責任ー1度にできるのは2つのことまでー教えることが喜び、これからも原石を磨き続けるおわりにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー【著者プロフィール】福重良一(ふくしげりょういち)国籍 日本 生年月日1971年1月30日出身地和歌山県身長・体重 181cm・75kg【経歴】1986年 和歌山県立和歌山工業高等学校1989年 大阪体育大学1993年 京都紫光/京都パープルサンガ1997年 大塚製薬1999年 初芝橋本高校(コーチ):第77回全国 高等学校サッカー選手権大会・初出場2000年 初芝橋本高校(コーチ):第78回全国高等学校サッカー選手権大会・3回戦進出2001年 初芝橋本高校(コーチ):第79回全国高等学校サッカー選手権大会・2回戦進出2003年 初芝橋本高校(監督):第79回全国高等学校サッカー選手権大会・出場2004年 初芝橋本高校(監督):第79回全国高等学校サッカー選手権大会・準々決勝進出2012年 東山高校(監督):全国高等学校総合体育大会・初出場2018年 東山高校(監督):全国高等学校総合体育大会・4位京都府高校サッカー新人大会・優勝、第97回全国高等学校サッカー選手権大会・出場(京都三冠)
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