今、たどりつく万葉集の新境地選り抜かれた100首と独自の解釈が、新たな“万葉観”へと導く!長歌、短歌、旋頭歌など、全4500余首が収められた日本最古の撰歌集「万葉集」。京都、飛鳥、奈良といった古都の散策を主題とする随筆の名手が、その中から100首を厳選し、瑞々しい解釈と美しいエッセイを添える。内乱が頻発し混沌とした社会にあって、歌の作者たちは嘆きや悦び、叶わぬ願いや迸る想いを懸命に詠み上げた。そうした先の見えない時代を生き抜く逞しさに満ちた古の詩が、私たちに今ひとたびの生命力を与えてくれるはず。詩歌の来歴はもちろん、著者自身が万葉ゆかりの地で見聞きした余話に豊かな学びと温かな癒しがある。また、躍動感のある大和路の風光描写が――たとえ物理的な移動がままならない時であっても――想像力あふれる魂の旅へと誘ってくれる座右の書。【著者プロフィール】松本章男(まつもと あきお)1931年、京都市生まれ。京都大学文学部仏文科卒業。人文書院取締役編集長を経て、随筆家に。『西行 その歌その生涯』で第17回やまなし文学賞受賞。著書に『京の裏道』(平凡社カラー新書)、『京都 花の道をあるく』(集英社新書)、『新釈平家物語』(集英社)、『道元の和歌 春は花 夏ほととぎす』(中公新書)、『歌帝 後鳥羽院』(平凡社)ほか多数。
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