アジャイル本は数多くあれど、この書籍が類書と異なるのはソフトウェアリーダーに向けて、アジャイルを実践するための包括的なリファレンスとなっている点である。 アジャイル実践の妨げとなるものは何か。それはマインドセットのような個人に起因するものであったり、各工程における作業かもしれない。また、プロジェクト構造やワークスペースの問題のこともあれば、組織文化が原因のこともある。本書では、そのすべてについて、筆者の豊富な経験をもとにしたプラクティスが詳細に解説されている。 中には一般で支持されている定説とやや異なるものもあるが、筆者の立場が特定の方法論のエバンジェリストではないということに加え、その根拠として参照される圧倒されるほどの論文や書籍などから、耳を傾けざるを得ない。そして、そのようにして、受け売りではなく自分で考えることがアジャイル実践の最初の一歩であることにも気付かされる。 本書は、アジャイルを価値創出の手段として生かそうと悪戦苦闘するソフトウェアリーダーにとって、必携のサバイバルガイドになるだろう。 2020年7月 Tably株式会社 代表取締役 Technology Enabler 及川 卓也 開発者必読のロングセラー『Code Complete(コードコンプリート)』の著者として著名なスティーブ・マコネルの新刊が15年ぶりに登場! 本書は“More Effective Agile: A Roadmap for Software Leaders"(Construx Press、2019年)の日本語版です。 企業活動やビジネスが今後ますます「ソフトウェアファースト(ソフトウェア主導)」になっていく中で、リーダーシップを発揮できる人材である「ソフトウェアリーダー」を目指すために、アジャイルから「価値を引き出す」ための実践的なプラクティスを解説します。監訳者にはアジャイル分野で著名であり、『Adaptive Code(旧名『C#実践開発手法』)』で実績のある長沢智治氏を起用しました。 【目次】 第1部 はじめに:より効果的なアジャイル 第2部 より効果的なチーム 第3部 より効果的な作業 第4部 より効果的な組織 第5部 おわりに
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