「神様から息子は授からなかったけれど、君はぼくの息子だ」 孤独なオペラ王と若きアシスタントの心あたたまる物語。 「ぼくのために働かないか」 ペルーの5つ星ホテルで働く青年ティノ。 それまでオペラを聴いたこともなかったホテルボーイに声をかけたのは、 世界一のテノール歌手だった──。 何十個ものスーツケースに詰め込んだタキシードとアロハシャツと食料と調理器具、 プライベートジェットでめぐる世界ツアー、熱狂する聴衆と国家元首も参加するガラ・ディナー、 豪邸と別荘、花火まで打ち上げるパーティ、度重なる手術と再起への飽くなき願望……。 本書は、パヴァロッティが亡くなるまでの13年間、 もっとも信頼し、身近に置いて心を通わせた 「最後のアシスタント」による回想録。 潑剌としてみずみずしいユーモアあふれる文体から、 素顔のパヴァロッティの人間的魅力が伝わってくる。 ★映画『ァロッティ 太陽のテノール』9月4日より全国ローショー! 【ルチアーノ・パヴァロッティ(1935–2007)】 「神に祝福された声」をもつ不世出の歌手。 若くから数多くの伝説を生んだオペラの舞台に飽き足らず、 プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスとの「三大テノール」公演、 ライザ・ミネリ、ボノ、E・クラプトンらポップ・スターたちとの共演で スタジアムを埋め尽くす聴衆を熱狂させ、巨大なショービジネスの頂点に君臨した彼は、 晩年、深い孤独、醜聞に飢えたマスメディアの攻撃、そして絶え間ない身体の不調に苦しみながら、 ファンを喜ばせること、ファンに音楽の素晴らしさを伝えることに生命を燃やした。 「ファンこそぼくの人生の一部なんだ。もしいなくなったら心配になるじゃないか」
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