初めて『万葉集』」に触れる方のために、 感動的で、かつ親しみやすい歌を五十首選び、 分かりやすい解説を加えた入門書。 一首ごとに見開きで構成、大きな文字で、 それぞれに情景の思い浮かぶ 美しいイラストが添えられています。 『万葉集』をこよなく愛する二人の著者による、 語りかけるような文章が特長で、 歌に込められた思いやその背景などが 生き生きと語られています。 「石走る垂水の上の早蕨の萌えいづる春に なりにけるかも」志貴皇子 (しぶきをあげて、勢いよく流れ落ちる滝のほとりに、 早緑色の若い蕨が萌え出てきたよ、 そんな春になったことだなあ) 「春過ぎて夏来るらし白妙の衣ほしたり 天の香具山」持統天皇 (春が過ぎて、もう夏がやって来たらしい。 ほら、真っ白い衣が干してあるよ、 神聖な天の香具山に) 声に出して読んでみれば、歌の意味は分からずとも、 自然を慈しむ気持ちが芽生え、 人に対する思いやりの心が育まれていくことでしょう。 親から子へと次世代に読み継がれてほしいという 願いを込めて作られた『万葉集』のベストセレクション。 その歌に力や慰めをもらう日がきっとあることでしょう。
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