2008年5月に叢書『日本の安全保障』シリーズの第5巻として執筆された『市場化時代の経済と安全保障』の改訂増補版。 初版では通貨危機やエネルギー問題といったことを「市場の暴力」という観点から主に論じた。グローバリゼーションの広がりとともに「市場経済化」が全世界的に進んだことから生じた脅威は、国家や軍事力に視点を置いた安全保障論だけでは解説できない新たなファクターであったからである。 この改訂増補版では、以降に発生した東日本大震災、コロナ、地球温暖化、食糧安保といった諸問題について追加した増補版となっている。 これにより金融危機、エネルギー問題に加え、自然災害、ウイルス、環境問題、食料問題について解説することとなった。非軍事的な安全保障と考えられる問題全般をカバーし、より広い視点から論じた1冊である。
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