プログラマがどのように自動化を実現しているのかを考えると、プログラマ以外の人との違いが見えてきます。その代表的な例が、「とりあえずやってみる=手を動かす」という姿勢です。年配の方を中心に、コンピュータを目の前にするとまったく手が動かない人がいます。話を聞いてみると、「間違えて触ってデータを消してしまうかもしれない」「壊してしまったら怖い」「操作が遅いことを人に見られるのは恥ずかしい」「どこから触ったらいいかわからない」などの答えが返ってきます。しかし、小学生などにコンピュータを触らせてみると、本人たちもよくわかっていないうちにどんどん触ろうとします。経験がないため、間違えて操作することを恐れず、手を動かしているのです。気がつけば、自分たちで学んで、あっという間に使いこなしてしまいます。もちろん、トラブルも発生しますが、それによって学んでいきます人は経験を積めば積むほど、手を動かす前に考えてしまい、新しいことへの挑戦を避ける傾向にあります。こどもの頃にはできていたことでも、大人になると難しいのかもしれません。プログラマもあれこれ考えるよりまず手を動かしてみる特徴があります。うまく動かないとき、考え込んで手を止めるのではなく、思いつく設定や操作を次々と試してみる。本で勉強したとき、その内容が本当か試してみる。サンプルのソースコードがあればとりあえず動かしてみる。そういった癖がついています。このような、修正や試行錯誤によって、少しずつ経験や知識を蓄えていきます。プログラマがコンピュータに詳しいと思われているのもこれが理由かもしれません。プログラムを作っていると、どうしても想像通りに動かないことがあります。そこで、いろいろ試すことで、コンピュータがどのように動作しているのか、その内部を理解できるのです。何事も、やってみないことにはわかりません。プログラミングはお金をかけずに試すことが容易です。失敗しても、データを消せば最初からやり直せるという特徴もあります。この本で取り上げる自動化などのテクニックも、どんどん試してみることをおすすめします。最初からうまく動くことなど滅多にありませんが、試さないとどんな問題があるのかすら気づきません。ぜひ、本書の内容を参考に、手を動かして試していただければと思います。そして、他の方法はないか、と考えていただけると嬉しいです。
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