アドラー心理学はソーシャルワークの現場でどう活用されているのか? アドラー心理学による「勇気づけ」により、ソーシャルワーカーが抱える諸問題の解決策を提示する私は現在は心理カウンセラーを主としてソーシャルワーカーとしても活動していますが、これまでソーシャルワーカーとして実践してきた中で、これでいいのかどうかと迷う場面は何度となくありました。それは相談に来られた人への接し方だけでなく、ご家族や関係者との関わり方、組織の中でのあり方や組織の限界等様々で、答えのない答えを求めるような難しい状況に出会うことがしばしばあります。ソーシャルワーカーの方であれば誰しもが大なり小なり体験していることでしょう。何が正しくて何が正しくないのか、そういった迷いの中で道標を見失った時に必要なもの、それは目指すべき指針であり、そしてそこへ向かう確固たる信念とそれを裏付ける対人援助スキルといったものでしょう。そして何よりも人間というものを深く知る必要があります。この本ではそういった言わば、哲学、スキル、知識の必要性に対する答えを、アドラー心理学の理論をベースにソーシャルワークの各理論などと絡めて伝えていきたいと思います。――はじめにより目次はじめに第一章 アドラーとその軌跡第二章 アドラー心理学によるラポール(信頼関係)の構築生き辛さを抱えた人の世界バイステック7原則とはアドラー心理学によるラポール構築の仕方非審判的態度で関わるクライエントの見ている世界を理解する第二章のまとめ第三章 目的論で関わる目標を一致させる原因論と目的論の違い他者の課題を背負わない――課題の分離第三章のまとめ第四章 自他を勇気づける対人援助の推移二つの「じりつ」支援ほめると勇気づけるの違い勇気づけの態度とは自分の価値を増すダメ出しとヨイ出しの効能リフレーミングで勇気づける不完全な自分を許す勇気を持つ勇気の湧き出る源を知る第四章のまとめ第五章 ソーシャルワーカーが目指すべきゴール私たちが支援する人たちの世界ソーシャルワークの定義とゴール像人生の終盤の生きる意味第五章のまとめおわりに
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