【本当にええ土はどこにある?】 【地球をめぐるちょっと「地味」でだいぶ「泥臭い」大冒険が始まる……。】 【オールカラー】 ◎内容紹介 土は地味だ。その研究者の扱いも、宇宙飛行士とは雲泥の差がある。 空港で土とスコップの機内持ち込みを謝絶されて落ち込んでいる大人を 見たことがあるだろうか。業務として土を掘っているのに、通報され、 職務質問を受けることすらある。やましいところは一切なく、土を掘る のを仕事にしている。何を好き好んで土なんて掘っているのかと思われる かもしれない。家や道をつくるためでもなければ、徳川埋蔵金を捜すため でも……ない。100億人を養ってくれる肥沃な土を探すためだ。 (「まえがき」を一部改変) 世界の土はたった12種類。しかし、毎日の食卓を支え、地球の未来を支えて くれる本当に「肥沃な土」はどこにある? そもそも土とは一体何なのか? 泥にまみれて地球を巡った研究者の汗と涙がにじむ、一綴りの宝の地図。 ◎目次 まえがき 第1章 月の砂、火星の土、地球の土壌 肥沃な土は地球にしかない/月には粘土がない/火星には腐植がない 細かい土と素敵な地球/人も土も見た目が八割/土に植物が育つわけ 電気を帯びた粘土の神通力/薬にも化粧品にもなる粘土/植物工場で100億人を養えるのか 世界の土はたったの12種類 第2章 12種類の土を探せ! 土のグランドスラム/裏山の土から始まる旅/どうして日本の土は酸性なのか 農業のできない土/永久凍土を求めて/ツンドラと永久凍土 氷が解けたその後で/泥炭土と蚊アレルギー/ウイスキーとジーパンを生んだ泥炭〝土〟 土壌がないということ/微笑みの国の砂質土壌/ゴルフ場よりも少ないポドゾル 魅惑のポドゾルを求めて/土の皇帝 チェルノーゼム/土を耕すミミズとジリス ホットケーキセットを支える粘土集積土壌/ひび割れ粘土質土壌と高級車/塩辛い砂漠土 腹ペコのオランウータンと強風化赤黄色土/野菜がない/幻のレンガ土壌 青い岩から生まれた赤い土/スマホも土からできている/黒ぼく土で飯を食う 盛り上がる黒ぼく土/黒ぼく土はなぜ黒いのか/肥沃な土は多くない 第3章 地球の土の可能性 宝の地図を求めて/世界の人口分布を決める土/肥沃な土の条件 隣の土は黒い/黒土とグローバル・ランド・ラッシュ/ステーキとチェルノーゼム 牛丼を支える土とフンコロガシ/岩手県一つ分の塩辛い土/肥沃な土の錬金術 セラードの奇跡/強風化赤黄色土ではだめなわけ/土が売られる お金がない、時間もない/スコップ一本からの土壌改良 第4章 日本の土と宮沢賢治からの宿題 黒ぼく土を克服する/火山灰土壌からのリン採掘/田んぼの土のふしぎ 宮沢賢治からのリクエスト/SATOYAMAで野良稼ぎ/日本の土もすごい バーチャル・ソイル/土に恵まれた惑星、土に恵まれた日本 あとがき 引用文献 ◎著者プロフィール 藤井一至(ふじいかずみち) 土の研究者。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員。 1981年富山県生まれ。京都大学農学研究科博士課程修了。博士(農学)。 京都大学研究員、日本学術振興会特別研究員を経て、現職。カナダ極北の永久凍土から インドネシアの熱帯雨林までスコップ片手に世界各地、日本の津々浦々を飛び回り、 土の成り立ちと持続的な利用方法を研究している。第1回日本生態学会奨励賞(鈴木賞) 第33回日本土壌肥料学会奨励賞、第15回日本農学進歩賞受賞。 著書に『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』(山と溪谷社)など。
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