小児救命救急・ICUピックアップ(1) ショック ダウンロード

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本の説明

日本小児集中治療研究会は,ワークショップやPALS(小児二次救命処置法)の 講習会などを通じて,小児救命救急・集中治療の分野の発展に20年以上にわ たり貢献してきた。しかし,この分野の知見を示すまとまったテキストがな く,長い間待望されていた。今回の「小児救命救急・ICUピックアップ」シリー ズは,このような期待に応える形でメディカル・サイエンス・インターナショ ナルより出版される運びとなった。 本書は,その「小児救命救急・ICUピックアップ」シリーズの1冊目として 誕生した。第1巻ということで小児救急・集中治療のなかで遭遇しやすいが, 病態がわかりにくく対処しにくい「ショック」をテーマとして選んだ次第であ る。 小児の救命救急・集中治療の現場で患者を評価するとき,まず呼吸障害と循 環障害の重症度分類と原因分類を行い,それに合わせて治療を選択していくこ とになる。循環障害の治療は手間のかかることが多く,生死に直結する可能性 が高い。したがって,小児の循環障害においては,的確な評価と迅速な治療が 不可欠となる。 例えば,小児は成人と比較して予備力がないために,下痢や嘔吐だけでも重 篤なショック(循環血液量減少性ショック)に陥ることはよく知られた事実であ る。また,小児にはショックから急速に心停止に至るような脆弱性があり,早 期の診断に基づいた適切な治療が不可欠である。 また,成人とはショックの病態も異なる。例えば,敗血症性ショックの場合 に成人ではwarm shockが多いが,小児では心機能の予備力がないためにす ぐにcold shockになってしまい,当然ながら治療薬も異なってくる。そのほ かにも,成人では心原性の心停止が大部分を占めるが,小児では呼吸原性の心 停止が多いことは,成人と小児で明らかに病態が異なることを表している。 このようにショックにおいては,症状から原因疾患,治療に至るまで多くの 点で小児は成人と異なるにもかかわらず,小児のショックについての詳細なテ キストはほとんどないのが現状である。本書は以上の点を念頭において,小児 のショックに関する基本的事項から最新の知見までを網羅し,診断・治療の指 針を提示すると同時に,この分野でのホットな話題を提供することも目的とし ている。 本書が,小児のショックを診断・治療する際の一助になれば幸いである。 平成29年11月吉日 櫻井淑男 編集委員会 日本小児集中治療研究会

著者 :日本小児集中治療研究会
Isbn 10 :4895929035
Isbn 13 :978-4895929035
によって公開 :2017/11/20
ページ数 :144ページ
出版社 小児救命救急・ICUピックアップ(1) ショック:メディカルサイエンスインターナショナル