そのときに備えて、知っておきたい知識と心構え 2019年に全国で亡くなった人の数は138.1万人で過去最多を更新。つまり、これまででもっとも多い件数の相続が発生したことになります。また、このうち8.3%にあたる11万5000件が相続税を申告し、25万4000人が相続人として税を納めました。納税が必要な相続人の数は2015年の税制改正で倍増し、毎年23万人以上が対象になっています。 これだけ多くの人がかかわるものでありながら、相続の手続きは非常に複雑。相続が発生すると、相続人は、資産の洗い出しから法定相続人の把握、遺産分割、税額計算、申告手続きといった様々な作業を、申告期限の10カ月以内に終えなくてはなりません。普段交流がない親族との協議や専門家への相談など、初めて経験することやわからないことも次々と発生します。 制度についても知る必要があります。相続に関連するルールは毎年少しずつ変わっています。最近では所有者不明土地(空き家)が問題視され、対策が本格化。相続開始から3年以内の登記の義務化されます。相続が発生する前に、いつか来る相続に備えて、最低限の知識と心構えが求められています。 本書は相続の基本と最新動向をまとめたムックの最新版です。生前対策から亡くなったあとの手続き、相続税の計算方法、遺産分割のルールなどを、イラストや図表を用いてわかりやすく説明しています。最新の制度改正も詳しく解説。誰もが相続に備える時代に、目を通しておきたい一冊です。 【目次】 ●巻頭インタビュー:作家 原田ひ香さんに聞く 亡くなった人の想いを継ぐ相続 そこから物語が始まることも…… ●パート1:相続発生前に知っておきたい5つのこと 1 相続への準備があるかないかで“いざ"というときには大違い 2 必要な手続きは期限内に済ます 先延ばしにすると面倒な事態に 3 相続対策は何を重視するのか? 節税にこだわると失敗しやすい 4 遺産分割では家族の問題が噴出 遺言が不可欠の人も増えている 5 コロナ禍での相続はどうなるか 民法改正後の新ルールも確認を ●パート2:相続が起きたらやるべきこと、その手順 1 相続発生後に必要となる各種手続きと期限を確認する 2 遺産を相続するのは誰か 法定相続人を確定する 3 遺言書の有無を調べてその内容を確認する 4 プラス・マイナス両方の遺産をすべて洗い出す 5 遺産を相続するかしないか3つの方法から選択する 6 遺産の分け方を話し合い遺産分割協議書を作成する 7 相続税がかかる場合は、申告・納税の準備をする 8 相続人は必要書類をそろえて相続財産の名義変更を行う 預貯金・有価証券・保険は金融機関ごとに所定の手続きをする 不動産は所有権の移転登記が必要 車やゴルフ会員権も名義を変更 ●パート3:遺産分割の基本ルールと円満相続のポイント 1 遺産分割の対象になる財産とその評価額の考え方 2 遺産をどのように分けるかは4つの方法から検討する 3 不動産は特例を使える人が相続すれば全員にとって有利 4 相続人に認められる「寄与分」と、「特別の寄与」の違いを知る 5 過去の贈与への「特別受益」はどこまで含めるかもカギ 6 「配偶者居住権」の活用法と利用する際に注意したいこと 7 遺言に納得できないときの「遺留分の請求」は金銭で行う 8 話し合いがまとまらないときや困ったときは専門家に相談を ●パート4:相続税は4つのステップを踏んで計算する 1 相続税がかかるのは基礎控除を超える相続財産がある場合 2 相続財産の総額をつかむには財産別の課税価格を確認する ――不動産の評価額の出し方は用途別に定められている ――みなし相続財産とその他の財産の評価額 3 相続人ごとの遺産の価額を合計し基礎控除後の課税遺産総額を出す 4 課税遺産総額をもとにして相続税の総額を計算する 5 相続税の総額を受取人で按分し一人ひとりの納税額を求める 6 「配偶者の税額軽減」は二次相続まで考えて利用する 7 申告は全員で行うのが基本 認められれば延納・物納も可能 ●パート5:早めに準備したい3つの相続対策 1 相続対策は大きく分けると3つ。どれから取りかかるかを考える 2 財産リストの作成は不可欠で相続人の状況や希望も確かめる 3 不動産は親自身が元気なうちに活用&引き継ぎ方を検討する 4 法的に有効な遺言書を作成し自分の意思を家族に伝えておく 5 3つの相続対策に役立つ生命保険の失敗しない活用法 6 金融資産に余裕がある場合は「生前贈与」を賢く使う 7 資産の組み替えも検討が必要 不動産投資はどうやればいいか 8 認知症対策と相続対策にもなる「家族信託」の仕組みと活用法 ●これもチェック! 1 相続後には年金の手続きも忘れずに 2 遺産分割で揉めたら、最終的には家庭裁判所での調停・審判に進む 3 相続税額の早見表 4 遺産を有意義に活用するために「遺贈」による寄付も検討の余地あり ●付録 相続用語集 路線価図&書き込み式財産リスト
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