「死にそうになったら延命治療なし 人工呼吸× 死んだら読経、戒名なし」という遺言を東日本大震災の年にしたためていた女優・木内みどり。2011年3月11日以降、彼女はそれまでとはがらりと生きかたを変え、政治・社会活動に積極的に参加し、脱原発や反戦運動などに奔走した。常に死を意識して、生きているうちにやれるだけのことを、と世界と日常を見つめ、日々発見をし、学習し、発信する。出張先で亡くなる直前まで元気に自らの思いを表現していた。最期も自分らしくありたいからと、亡くなる1年前には散骨の場所を見つけている。そんな彼女のあかるい死生観を、遺されたエッセイや、絵、お別れのために開催された「木内みどりさんを語りあう会」の様子から紡ぎだす。・80年代に書かれた珠玉のエッセイを掲載・マガジン9の連載「木内みどりの『発熱中!』」から死生観がにじむ文章を抜粋・ひとりで制作したWebラジオ「木内みどりの小さなラジオ」の一部を文字起こし・話題になった自費出版書籍『私にも絵が描けた! コーチはTwitter』の一部の絵と文章をカラーページに掲載・「木内みどりさんを語りあう会」での坂本龍一さん、岩井俊二監督、桃井かおりさんの言葉・残された家族の思いを綴った文章も掲載【目次より】 木内みどりの遺言状 第一章 大きな力に生かされている喜び 少女の日が帰ってくる夏 水玉模様の水着 遊びと仕事はくっついていたり重なったりしていてほしい胎内のヒトとのやさしい時間“朝日の、あ” 母の柩に入れた二つのゆで卵 第二章 命あるかぎり、できることを精一杯 マガジン9 「木内みどりの『発熱中!』」より 「木内みどりの小さなラジオ」より 『私にも絵が描けた! コーチはTwitter』より 最後の場所 第三章 あかるい別れかた 木内みどりさんへ――「木内みどりさんを語りあう会」より【プロフィール】木内みどり(きうち みどり)女優。1950年、愛知県生まれ。1965年劇団四季に入団。多数のドラマ、映画に出演。コミカルなキャラクターから重厚感あふれる役柄まで幅広く演じている。東日本大震災以降、脱原発集会の司会なども行い、積極的に社会・政治問題に関わっていく。2014年からWebサイト「マガジン9」にて『木内みどりの「発熱中!」』を連載。2017年、Twitterに毎日絵をアップしつづけ、18年、書籍『私にも絵が描けた! コーチはTwitter』として出版。2018年からWebラジオ「木内みどりの小さなラジオ」にて番組をひとりで制作、公開。2019年11月逝去。著書に『指差し確認』(鎌倉書房)、『私にも絵が描けた! コーチはTwitter』(小さなラジオ局出版部)、『またね。木内みどりの「発熱中!」』(岩波書店)がある。
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