浦河べてるの家から始まり、ダルク女性ハウス、「おとえもじて」をはじめとするさまざまなフィールドで展開されていった当事者研究を一望した、『臨床心理学』増刊第9号「みんなの当事者研究」(2017年)。当事者研究が批判的に継承する専門性をその源流である当事者運動や自助グループに特定しつつ、当事者研究と他の専門知との共同創造の可能性を探究した、『臨床心理学』増刊第10号「当事者研究と専門知――生き延びるための知の再配置」(2018年)。「当事者研究三部作」の棹尾を飾る『臨床心理学』増刊第11号は「当事者研究をはじめよう」と題して、これから当事者研究をはじめるひとのための実践的な「知恵と方法」を展開する。 つねに立ち返るべき参照点としての「当事者研究の理念・歴史」から、当事者研究グループを立ち上げ維持する「インフラ整備」のためのアイデアの継承、ファシリテーション、コメント、フィードバック、情報公開のメソッドを解説する「当事者研究実践レポート」、専門家との共同研究を上手に運営していくための注意事項、そして実践のためのツールとお役立ち情報までを総展望する。先達から継承されてきた知恵をスプリングボードにして、当事者研究のネクストステップまでを予見する、今日からはじめる明日のための当事者研究!
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