二〇二〇年の後半、コロナ禍の影響が表出してきた。倒産する企業が急増し、解雇や雇止めで失業する人が続出。まともな救済策を打ち出すこともなく、政府は不備だらけのGo Toキャンペーンを開始した。一方、世界を見れば、アメリカでは大統領選挙の直前にトランプ大統領が新型コロナウイルスに感染し、ヨーロッパでは一〇月に第二波とも言える感染爆発が発生するなど、混迷が深まる。こうした状況でありながら、日本政府はGo Toキャンペーンを展開し、JOCはオリンピックを開催すると言い続けている。二〇二〇年一月に認知された新型コロナウイルスは、この一年で、私たちの社会にどんな影響を及ぼしたのか。最強の論者たちによる定点観測の記録で解き明かす。 ■目次 斎藤 環/第三波の襲来とワクチンへの期待 雨宮処凛/続・貧困の現場から見えてきたもの 上野千鶴子/コロナ禍とジェンダー 2 大治朋子/コロナ禍で認識する報道の課題 今野晴貴/コロナ禍の労働現場 2 斎藤美奈子/停滞する言論、活気づく右派論壇 CDB/ダンスとハンマーの間で 武田砂鉄/続・アベノマスク論 仲正昌樹/コロナ禍と哲学 2 前川喜平/子どもの受難は続く 町山智浩/新型コロナ日記 イン アメリカ 2 松尾 匡/ここまで来たコロナショックドクトリン 丸川哲史/コロナ禍と東アジア(ポスト)冷戦 2 宮台真司/コロナ禍は社会の性能を示す 森 達也/私たちはずるずると泥道を滑り落ちている 安田浩一/コロナ禍のヘイトを考える 安田菜津紀「/人権」が絵空事にならないために 「定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会」関連年表
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