◎文章上達の極意は名文をまねる~模倣の文章術 世に数多くの文章読本、文章術の本がありますが、本書のスタンスはずばり「名文をまねる」ことです。 そのため多数の名文を引用し、特に「書き言葉」としての日本語の文体に着目します。 そこで重要なのは、様々な文章に触れて、それらの論理を研究し、息遣いを察し、気に入った文章・文体を選び取りまねることです。 ◎多彩なサンプル名文(迷文)~ますます読みたくなる、どんどん書きたくなる 全28の講習を八つの大きなテーマ(部)に分けて解説しています。 第一部から第八部までは、導入編、基礎編、口語編、歴史編、虚実編、理論編、鑑賞編、推敲編に分かれ、 各講習には、以下のようなテーマでサンプルを掲げ、演習を交えて解説しています。多彩な文章家の多彩な用途、ジャンルの文章が並んでいます。 引用した名文(一部) 口述で人生を振り返る(福沢諭吉)/シンプルで平易な名文(山本有三)/題材はどこにでもある(萩原朔太郎)/ 明確なメッセージを(伊丹万作)/難しい理論をわかりやすく(吉本隆明)/講談師の話芸を文章化する(松林伯円)/ 講演の速記をそのまま本に(石原莞爾)/香具師の口上でしゃべろうか(坂野比呂志)/話し言葉で書き言葉を論ずる(大岡信)/ 村上春樹と猫のメタファー(村上春樹)/紀行文と嘘(瀧川政次郎)/ポリフォニー小説(樋口一葉)/ 漱石と猫の視点(夏目漱石)/悪口の達人(河上肇)/映画解説文(水野晴郎)ほか ◎日本語の文体を知れば文章は書ける~在野史家の文体講義 日本の書き言葉のひとつの典型「である」文体は夏目漱石の「猫語」から始まるという文体論を展開しています(『吾輩は猫である』が近代日本語を創った)。 福沢諭吉、谷崎、三島、井上ひさしといった定番『文章読本』をものした作家に加え、大西巨人や村上春樹を取り上げ、 珍しいところでは『ドストエフスキー論』で著名なミハイル・バフチンの「ポリフォニー」論と樋口一葉の小説の関係といった独自の文章論などでも新機軸を打ち出しています。 文豪やジャーナリスト、批評家の文章読本とは一線を画するものです。とはいえ、すべては「読ませる」「まとまった」文章を書くための実用的ノウハウの提供に努めています。 長年在野史家として第一線で書き続けてきたレジェンド、礫川全次の文章修行の知見が裏付ける楽しく読めて実践的な全28講。
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