*********************************** ノーバート・ウィーナーはただの数学者ではない。物はいかに働き、働きうるかを深いレベルで理解する能力を有し、常に彼の数学を工学技術に結びつけ、情報通信ネットワーク時代のあらゆる種類の発明のための基本的アイディアを提供した。 ウィーナーの死後発見され、今はじめて公刊される本書で、彼は新しいアイディアを養い育て、その応用を可能にする歴史的環境を強調することにより、発明発見の歴史の魅力的な物語を、内側から理解し描いた。真にオリジナルなアイディアは、流れ作業からは生れえず、しばしば遠く離れた時と地点から直観で感じとられたものとして生れる。発明にとって最善の知的・技術的風土とは、興味深い事柄を追求する精を鼓舞する社会であり、それらを産み出す直観に報いる社会である。その観点から現代アメリカの事例も観察される。 ウィーナーはまた、生涯を通じて、科学者たちの開発した理論の応用を導く倫理的なものへの強い関心を保ち続けた。冷戦時代をささえた科学の世界に対する彼の警告は、予見に満ちている。90年代の科学技術社会が直面するディレンマに対しても、過去から深く有益な示唆を与える本書は、今こそ読まれるにふさわしい書であろう。 [1994年7月初版]
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