〈新解釈〉三国志で一番地味な英雄の正体とは『三国志』の愛読者とまでいかずとも、ゲームや映画、漫画など何らかの形で『三国志』に接したことのある人なら、劉備の名は耳にしたことがあるに違いない。彼のことをあまたの英雄が活躍する壮大なストーリーの主人公と口にする方もいるだろう。では、劉備のヒーローらしいエピソードを挙げよと言われたら、何と答えるか。個として武勇を発揮する場面か、計略を鮮やかに決める場面か。おそらくどちらも口ごもるにちがいない。次に劉備の性格について問われたら、何と答えるか。聖人君子の鑑、いや優柔不断だと語る人もいるはずで、およそ乱世の主人公には似つかわしくないのである。講談や芝居でも、主役は闘将・関羽か、名軍師・諸葛亮であり、それは現代の小説や漫画でも同じだ。名君なら曹操を推す声が多く、美男と言えば周瑜で決まりなど、いつの時代、どの分野でも劉備の名が一番に挙がることはまれだった。劉備とは、いったいどのような英雄であったのか。豊富な文献・史料を駆使し、虚と実が入り混じる正体に迫っていく。〈本書の特長〉「自分を慕ってくれている人を見捨てることなどできない」。「仁徳の人」劉備玄徳らしい台詞である。小説『三国志演義』で描かれた聖人君子ぶり。はたして、このキャラクターは、噓か真実か。フィクションにかき消された真実の姿を探るべく、史料を丹念に読み解いていく。『三国志演義』の主人公の正体は、けっこう人間くさいものだった。〈本書の内容〉 はじめに序 章 演義と正史のギャップ第一章 一族期待の星第二章 群雄割拠の狭間第三章 新たな出会い第四章 漢を継ぐ者第五章 劉備の聖人君子化
人気のある作家
Audible Studios (152) 司馬遼太郎 (73) KADOKAWA (70) 夏目 漱石 (66) 太宰 治 (62) 新日本文学電子大系出版会 (56) 豊島 与志雄 (55) 池波 正太郎 (54) 牧野 信一 (54) 京極 夏彦 (48) 坂口安吾 (47) 池井戸 潤 (41) 芥川 龍之介 (40) 村上 春樹 (39) 東野 圭吾 (39) 林真理子 (39) 宮沢 賢治 (38) MdN編集部 (38) 森 博嗣 (36) 松岡 佑子 (32)