《はじめにより》 わが国に高頻度に認められる慢性腎臓病(CKD)という疾患概念についての理解は、年々深められています。日本腎臓学会では他学会と連携し各疾患の重症化予防対策に力を入れています。また、「かかりつけ医と腎臓専門医」との病診連携も積極的に行われ、二人主治医制も勧められています。そうした努力にもかかわらず、CKDは、進展・増悪し末期腎不全に進展することと、心血管イベント(CVD:脳卒中、心筋梗塞、狭心症など)を併発するという2つの大きな問題をもっています。CKDから末期腎不全に進行するよりもCVDイベントを発症することのほうが多いとも言われています。また、日本透析医学会から毎年報告されている「わが国の慢性透析療法の現況」を見ると、CKDのこれらの問題点が十分に解決されているとは言い切れないのが現状です。 2009年、CKDの進展予防をキーワードに診療に必要な知識を簡潔に解説し、臨床の場で使いやすいポケットマニュアルを順天堂大学腎臓内科の仲間たちと上梓させていただきました。CKDの基本事項の理解から検査値の異常の見方、食事・運動・薬物療法、さらに慢性腎不全(ステージ5D)の管理を箇条書きと図表をもとに腎臓専門医の立場から簡潔に記載しました。この10年、腎臓専門医のみならず多くの「かかりつけ医」や医療スタッフ、MR(医療情報担当者)の方々にお読みいただいてきたと聞き、大変嬉しく思っています。しかし、近年多くの疾患の診療ガイドやガイドラインが刊行・改訂され、また病態に応じた新薬も次々に上市され治療に大きく貢献しています。 今回、本書の特長を生かしつつ、これまでの内容に新しい情報を加え「慢性腎臓病(CKD)をマネージする」を姉妹本としてまとめてみました。明日からの皆様のCKDの診断と治療に活かしていただければと願っています。しかし、過不足も多々あろうかと思いますので、皆様の忌憚のないご意見をいただければ望外の喜びです。 (富野康日己)
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