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プロタント量刑論 放火: 規範的根拠と法益に基づく量刑の数値モデルによる学説と実務の橋渡しの実証的研究

従来、量刑判断は一種のブラックボツクスであり、裁判官にはわかるが、裁判員など専門家以外のものには理解不能であるとされていた。一方、裁判員裁判の開始もあり、このような専門家へのまるなげはできない状況となり、ようやくその本質を理解したい、理解させたいという欲求が表面化してきている。量刑の学説(理論)と実務(量刑相場)の間にも大きなギャップがあると認識されており、これを埋めるために「量刑傾向」という大枠を裁判員量刑検索システムを利用することで、裁判員にも合理的判断ができるようにと制度的整備が進められている。しかし、この量刑傾向は、あくまで裁判員裁判を円滑進めるための一時的な策であり、量刑の本質そのものを説明するものではない。本書は、(1)メタ倫理学における規範根拠を量刑因子として扱うこと、(2)法益の侵害を行為と結果と2つの観点で評価する、(3)量刑因子の数値的な取り扱いの原則を明確化することで、従来の学説(「幅の理論」や「点の理論」)と、量刑相場という実務の間の関係を明確化する。これにより、量刑数値モデルの精度、確度を高めることができ、学説と実務の橋渡しを行うことができることを示した。本書は総論の分析データの詳細資料を提供する。目次:6.判例への適用事例6.5 放火6.5.1 判例0891916.5.2 判例0888446.5.3 判例0888336.5.4 判例0888786.5.5 判例0881766.5.6 判例0881436.5.7 判例0886766.5.8 判例0879466.5.9 判例0878436.5.10 判例0876186.5.11 判例0876156.5.12 判例0876146.5.13 判例0874686.5.14 判例0866116.5.15 判例0864736.5.16 判例0862096.5.17 判例0859116.5.18 判例0855776.5.19 判例0855746.5.20 判例0841246.5.21 判例0828256.5.22 判例0821206.5.23 判例0818976.5.24 判例0809226.5.25 判例0385416.5.26 判例0802816.5.27 判例0383636.5.28 判例0800876.5.29 判例0383426.5.30 判例0383096.5.31 判例0380306.5.32 判例0370776.5.33 判例0353226.5.34 判例0348116.5.35 判例0345476.5.36 判例0349016.5.37 判例0339906.5.38 判例0339176.5.39 判例0336536.5.40 判例0333616.5.41 判例0329306.5.42 判例0328456.5.43 判例0328436.5.44 判例0084856.5.45 判例0064116.5.46 判例0081096.5.47 判例0068066.5.48 判例0079916.5.49 判例0064436.5.50 判例0068146.5.51 判例0055156.5.52 判例0087006.5.53 判例0087686.5.54 判例0068346.5.55 判例0065926.5.56 判例0059606.5.57 判例0075896.5.58 判例0060626.5.59 判例0073696.5.60 判例0073686.5.61 判例0069466.5.62 判例0076496.5.63 判例0082706.5.64 判例0079586.5.65 判例0032216.5.66 判例0076936.5.67 判例0081746.5.68 判例0080456.5.69 判例0080486.5.70 判例0080506.5.71 判例0071476.5.72 判例0057976.5.73 判例0080666.5.74 判例0080066.5.75 判例0078506.5.76 判例0080736.5.77 判例0063406.5.78 判例0080766.5.79 判例0080776.5.80 判例0084736.5.81 判例0072226.5.82 判例0078546.5.83 判例0082146.5.84 判例0062926.5.85 判例0073366.5.86 判例022242...6.5.1 判例089191令和元年(わ)第656号 現住建造物等放火未遂被告事件(主文)被告人を懲役3年に処する。(罪となるべき事実) 被告人は,知人であるAとの関係に不満を募らせ,令和元年5月25日午後3時 30分頃から同日午後3時43分頃までの間に,Bほか6名が現に住居に使用し, かつ,Aら4名が現にいる札幌市a区bc条d丁目e番f号所在の共同住宅「C」(木・鉄筋コンクリート造亜鉛メッキ鋼板葺3階建,延べ床面積約322.38平 方メートル)g号室B方(以下「B方」という。)玄関前において,共同住宅の一 部を焼損するおそれがあることを認識しながら,持っていた書類及びパック燃料1 個にそれぞれチャッカマン型ライターで点火した上,それらをB方玄関ドア郵便差 入口に差し入れて火を放ったが,B方の来客が消火したため,玄関ドアの一部を焦 がしたにとどまった。(量刑の理由)本件の犯行態様は,火を点けた書類の束及びパック燃料を玄関ドアの郵便差入口 の中に差し入れたというものであるが,火が広く燃え広がるまで意図されたもので はなかった。また,住人が恐怖を感じたというのももっともではあるが,その生命 や身体への現実的な危険が生じる前に消火されている。本件の動機は理解しづらいところがあるが,被告人は,知人からの外出の誘いを 断ることができないことなどから,強い困惑やストレスを抱え,それを解消する方 法として,その自宅玄関ドアに放火することを思い至ったと述べる。その背景には, 被告人が,自閉スペクトラム症の影響で,周囲との関係で困惑やストレスを抱え, それに適切に対処できずにいる中で放火という方法に思い至り,それに執着し,実 行したという面もあるから,これらの一連の経緯において被告人を責めきれない部 分もある。そうすると,本件は,前科のない単独犯による現住建造物等放火未遂という同種 事案の中で,重い部類には位置付けられず,刑の執行を猶予することが適当である。 そして,被告人については,その障害を踏まえると,実刑を科すよりも社会内で 福祉による支援を受けつつ更生に努めさせることの意義も認められ,被告人の両親 や福祉関係者の支援のもと,自力での更生も期待できるから,主文の結論に至った。(求刑 懲役3年)令和元年12月23日札幌地方裁判所刑事第1部表 量刑因子の評価 3/3因子評価評価補足内容違法性2違法認識動機2強い共同住宅の一 部を焼損するおそれがあることを認識し放火強い困惑やストレスを抱え,それを解消する方 法として,その自宅玄関ドアに放火することを思い至った経緯1一部責任強い困惑やストレスを抱え,それを解消する方 法として,その自宅玄関ドアに放火することを思い至った→★この責任はあるこれらの一連の経緯において被告人を責めきれない部分もある★「一部責任」「一部斟酌」「中立」のどれ?責任能力-1一部弱化自閉スペクトラム症の影響で,周囲との関係で困惑やストレスを抱え, それに適切に対処できずにいる中で放火という方法に思い至り,それに執着し,実行したという面もあるから,これらの一連の経緯において被告人を責めきれない部 分もある★「責めきれない部分もある」の解釈は「一部弱化」か?共犯0単独計画性0なし生命身体(行為)16致命的 4名Bほか6名が現に住居に使用し, かつ,Aら4名が現にいる共同住宅「C」(木・鉄筋コンクリート造亜鉛メッキ鋼板葺3階建,延べ床面積約322.38平 方メートル)g号室B方 ★4名が現在:致命的4X4名=16生命身体(結果)0自由(行為)0自由(結果)0名誉信用(行為)0名誉信用(結果)0財産(行為)0財産(結果)0B方の来客が消火したため,玄関ドアの一部を焦がしたにとどまった★1万円に満たないので、0で評価社会(行為)1書類及びパック燃料1個にそれぞれチャッカマン型ライターで点火し、B方玄関ドア郵便差入口に差し入れて火を放ったが、(消火される)社会(結果)0特別予防-2更生大自力での更生も期待できる

著者:佐々木 尚
ASIN:B08KDMM2BW
によって公開:2020/12/5
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