いま、将棋やクイズ番組など「人工知能vs人間」の戦いがあちこちで起こっている。 2014年の英オックスフォード大学の研究報告では、今後10年から20年ほどで、 人工知能を含むITの進化の影響によって、米国の702の職業のうち約半分が 失われる可能性があると述べている。 最先端の人工知能技術「ディープラーニング」をめぐっては、グーグルやフェイスブックなどが 数百億円規模の激しい投資・人材獲得合戦を展開。 一方で、宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士や、実業家のイーロン・マスク、 ビル・ゲイツなどが、「人工知能は人類を滅ぼすのではないか」との懸念を相次いで表明した。 そのテクノロジーは、ヒトを超える存在を生み出すのか。 人間の仕事を、人類の価値を奪うのか。 ▼ トップクラスの研究者が解きほぐす、「人工知能」の過去・現在・未来 ディープラーニングの特徴をひと言で言えば、コンピュータが人間のように 「気づき」を得るしくみのこと。 これまで「人工知能」と呼ばれていたものは、たとえ同じ計算を10万回やっても、 1回目と10万回目のやり方は基本的に同じで、「もっと早く計算できる方法」に 自ら気づけない。 コンピュータの計算能力は飛躍的に上がったが、それは根本解決ではないのだ。 しかし、その状況がディープラーニングによって革命的に変わる。 本書では、人工知能学会で編集委員長・倫理委員長なども歴任、日本トップクラスの 研究者の著者が、これまで人工知能研究が経てきた歴史的な試行錯誤を丁寧にたどり、 その未来像や起きうる問題までを指摘。 情報工学・電子工学や脳科学はもちろん、ウェブや哲学などの知見も盛り込み、 「いま人工知能ができること、できないこと、これからできるようになること」 をわかりやすく解説する。 なお、本書カバーには、ロボットと人間の共生を描いたアニメーション『イヴの時間』より、 ヒロインのアンドロイド「サミィ」のイラストを特別にお借りして掲載している。
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